4月 誕生石 ダイヤモンド ( ダイアモンド ) は99.95%の炭素からなる、単一元素で構成される唯一の宝石です。
自然界の中で最も硬く、高い屈折率(空気中で宝石の中に入った光が折れ曲がる屈折の程度を示す値で、高いほど反射する光の量が多い)を誇るのでジュエリーの素材として多用されます。
産出量が少なく、ジュエリーに使うことのできるグレードのものは僅かなので「宝石の王様」とも呼ばれます。
もくじ
【 はじめに 】
4月といえば…
続々と桜が開花し、引っ越しや入学式、入社式、新生活をスタートさせる季節ですね。
今年のエイプリルフールはどんな嘘をつこうかと、頭を巡らす方もいらっしゃるでしょうか。
日本ではあまり馴染みのないイースター(復活祭)ですが、海外ではクリスマスと並ぶ大事なお祭りが4月にはあるんです。
そんな 4月 の日本の 誕生石 は ダイヤモンド ( ダイアモンド )(和名:金剛石)。
(こちらでは日本ジュエリー協会の掲載する誕生石を参照させていただいています。)
◇12か月の誕生石について詳しくはこちら→
ダイヤモンド以外にも、同じく無色透明のキュービックジルコニアや水晶を4月の誕生石にいれているところもあります。
ダイヤモンドだけでも書きたいことは沢山あるので…今回は日本ジュエリー協会の掲載する誕生石を参照してダイヤモンドにフォーカスしてご紹介していきます。
【 4月 誕生石 ダイヤモンド ( ダイアモンド ) (金剛石) 】
光の宝石と呼ばれる ダイヤモンド ( ダイアモンド )(金剛石)(Diamond)。
そんなダイヤモンドは 4月 の 誕生石 。
希望の象徴として人々に愛されてきました。
■モース硬度
モース硬度:10
■color
基本的には無色透明。
ですがイエロー、ブラウン、ピンク、ブルー、ブラックといった色もあります。
ダイヤモンドは単一の元素からなる宝石の為、通常99.95%は炭素で構成されています。
しかし残りの0.05%に微量元素を含んでいる場合があり、その微量元素によっては色や結晶形状に影響を与えることがあります。
色のついたダイヤモンドはファンシーカラーダイヤモンドと呼ばれ、天然のものと人工的に色付けされたものとあります。
通常範囲のダイヤモンドは無色であるほど価値が上がりますが、ファンシーカラーダイヤモンドは彩度や色によって価値が変化します。
■産地
現在世界各地で採鉱されています。
2000年初頭までは南アフリカ、アフリカ諸国(コンゴ民主共和国やボツワナも含む)がダイヤモンドの主要な産出国です。
元々はインドから始まり、ブラジル、南アフリカ大陸へと広がりました。
ロシアやカナダ、オーストラリアなども有名です。
■歴史
・旧約聖書エレミア書、エゼキエル書にも神の国の宝石のひとつとして名前が挙げられています。
・紀元前4世紀頃 インドのドラビダ族がダイヤモンドを河原で見つけて使いだしたといわれています。
・紀元前1世紀 ローマの自然学者であるプリニウスがこんな言葉を残しているといいます。
「ダイヤモンドは美しいだけではない。この世のすべてで最も価値のあるものだ。」
・1477年 記録に残っている初のダイヤモンドの婚約指輪は、この年にオーストリアのマクシミリアン大公が、婚約者のマリー・ド・ブルゴーニュに贈呈したものです。
婚約を祝う指輪にダイヤモンドが使われ始めたのはビクトリア王朝時代と言われています。
マクシミリアン大公がダイヤモンドを贈って以来、ダイヤモンドは永遠の愛を象徴する代名詞となりました。
・1700年初期 インドのダイヤモンドの供給が減少し始め、ブラジルが注目され始めます。
ブラジルの産出量が増えるとその後150年もの間、ブラジルがダイヤモンドの市場を支配してきました。
産地が代わる間に、ダイヤモンド市場は独自の進化を遂げます。
元々ダイヤモンドの最大の顧客であった支配階級は1700年代後半には減少してしまうのです。
これはフランス革命のような政治革命によって富の分布が大きく変化したことに起因します。
・1800年代 西ヨーロッパと米国に裕福な層が拡大したころ、初めて南アフリカで巨大なダイヤモンド鉱床が見つかります。
ダイヤモンドの需要が増え始めた頃、それを後押しするかのように鉱床が見つかったのです。
・1888年 1866年南アフリカ キンバリーでダイヤモンドが発見された22年後の1888年。
起業家セシル・ローズがDe Beers Consolidated Mines Limited(デビアス合同鉱山株式会社)を設立しました。
デビアスはダイヤモンドを南アフリカの鉱山で発掘し、1900年にはダイヤモンド原石の世界生産量の約90%を支配したといわれています。
・1985年にはオーストラリアで、2000年にはカナダ北部で新鉱床が見つかり、劇的にダイヤモンドの産出量が拡大します。
・日本におけるダイヤモンドの歴史の始まりは1860年。
勝海舟や福沢諭吉、ジョン・万次郎など日米修好通商条約締結の遺米使節団が始まり。
その時の「航米目録」によると大統領主催の歓迎パーティの席で、大統領夫人から木村摂津守に5カラットのダイヤモンドが贈られた記録があります。
■由来や言い伝え
・語源はギリシャ語の「adamant」(アダマント)(征服し難い)。
ダイヤモンドはその硬さから「征服し難い」を意味するギリシャ語「adamant」に由来します。
否定の意味で使われる「a」と征服するという意味の「damazein」を組み合わせて、「adamazein」(何にも征服されない)が起源。
「adamazein」のラテン語になると「adamant」となり、否定の意味でつかわれる「a」をとって、「diamond」になったとか。
また和名の金剛石の名前は仏典の「金剛不壊」に由来していて、こちらも何物にも侵されない硬さを意味します。
・ダイヤモンドの語源は征服しがたい、何物にも屈しない、といった意味に由来すると考えられていたため、勝利や栄光をもたらす石とされ、王冠などによく使われました。
・ギリシャ神話では太陽神アポロンの守護石と言われています。
・ほとんどのダイヤモンド鉱山の平均産出量は母岩100万に対して、ダイヤモンドが1の割合であるといわれています。
・ほぼ世界共通で、愛情や結婚を象徴する石です。
・結婚60周年、75周年(日本では60周年)を記念する石です。
・何世紀にもわたり解毒剤として扱われ、疫病から守ってくれたり、長寿や美貌、幸福をもたらす石と考えられていました。
・ダイヤモンドの価値は「4C」で決まります。
4Cとは「カラット」「カラー」「クラリティ」「カット」です。
・「カラット」…ダイヤモンドの重さはカラット(ct)で表記されます。
1カラット = 0.2グラム。
◇カラットについてもっと詳しく知りたい方はコチラをどうぞ→
・「カラー」…ダイヤモンドは無色に見えても、かすかに色がついているものがほとんど。
そのためD~Zまでの23段階で評価され、最も無色に近く美しいものはDと評価されます。
(ファンシーカラーダイヤモンドはこの基準に当てはまらず、彩度や色などの基準で評価されます。)
◇カラーについてもっと詳しく知りたい方はコチラをどうぞ→
・「クラリティ」…ダイヤモンドの透明度を表します。
傷やカケ、内包物の有無などを含めて鑑定、評価します。
◇クラリティについてもっと詳しく知りたい方はこちらをどうぞ→
・「カット」…唯一人の技術に左右されます。
プロポーション、ポリッシュ、シンメトリーの総合評価でExcellentからPoorまでの5段階評価です。
◇カットの評価について詳しくはコチラをどうぞ→
・ダイヤモンドは燃える?
強そうなダイヤモンドですが、火には弱く燃えてしまいます。
しかも燃え続けると完全に消えてしまうのです。
そもそもダイヤモンドは鉱物としては「炭素の結晶」。
燃える温度としては600度で黒鉛化、800度で黒鉛から炭化、そしてダイヤモンド自体が発火するのです。
日常生活でそういった温度に遭遇することはまずないですが、火事などが起こった際にはそういった可能性も考えられますね。
金属であるプラチナ、金やシルバーなどは熱によって溶けることはあっても、焼失はしません。
ですがダイヤモンドは燃え続けるとやがて消えてしまうのです。
・ダイヤモンド?ダイアモンド?
結論から言うとどちらも間違いではありません。
ダイヤやダイヤモンドという言葉は戦前から、ダイアやダイアモンドは戦後から使われるようになったとか。
新聞やテレビなどはダイヤ、ダイヤモンドで統一されているといいます。
しかしそもそも「diamond」という表記を日本語の発音に合わせて表記したものなので、どちらが正しい、間違っているとは言えないのです。
文部科学省の定義した「外来語の表記」によれば「イ列とエ列の音の次にアの音が来るときは原則「ア」と表記する」との記載があるので、それに従うとダイアモンドとなります。
ただし言葉によって「ア」と「ヤ」を使い分けるという表記もあるため、使う人次第とも言えそうです。
◇アクワマリン?アクアマリン?どっちが正しいか気になったらこちらをどうぞ→
■誕生石「ダイヤモンド」のお手入れ & クリーニング
ダイヤモンドのモース硬度は10。
通常であれば超音波クリーナーで洗浄しても問題はありません。
しかしインクルージョンがある場合や、処理が施されている場合は超音波洗浄機を使用しないでください。
そういった場合は柔らかい布で拭く、もしくは中性洗剤で洗ったあとぬるま湯でしっかりと洗い流し柔らかい布で拭きあげます。
ダイヤモンドは高価な石です。
定期的にプロのクリーニングやセッティングの点検を受けることをお勧めします。
またダイヤモンドの特徴のひとつに親油性というものがあります。
お手入れをせずに使い続け、皮脂や化粧品などの油がついているとダイヤモンドの表面は曇ってきてしまいます。
「ダイヤモンドは永遠の輝き」そうCMでは謳っています。
しかし他の宝石同様にきちんとしたお手入れをして、きちんとした保管をしなければ輝きは失われてしまうのです。
油がついてすぐに表面が変化するというわけではなく、脂分や汚れが蓄積することで曇っていきます。
ですので使用後は必ず柔らかい布でふいてから保管することを習慣化できるといいですね。
ダイヤモンドはとても硬いです。
ですが硬い = 傷がつかない という認識も間違いなのです。
もちろん宝石の中では一番硬いので、他の宝石とは当たらないように保管することが大切ですし、ダイヤモンド同士は傷をつけあってしまう可能性があるので必ず分けて保管しましょう。
【 まとめ 】
4月 誕生石 ダイヤモンド ( ダイアモンド )についてご紹介してきました。
いかがだったでしょうか?
ダイヤモンドは石そのものの価値もさることながら、革命的なカット方法であったブリリアントカットによって真の美しさが発揮され一躍宝石の王様になったといっても過言ではありません。
女性なら一度は憧れる石のひとつなのではないでしょうか。
高価なものですので、何かの記念やご褒美として選ばれることが多いのも納得です。
意外にも汚れやすいですが、お手入れをしながら愛着をもって、また親から子へと引き継いで使っていくことができたらとても素敵ですね。
まだまだダイヤモンドについて書きたいことも沢山ありますし、本当は水晶やキュービックジルコニアについてもご紹介したいところでしたが、別の機会にご紹介したいと思います。
◇追記:水晶についてはこちらにまとめましたので、宜しければこちらをどうぞ→
最後までお読みいただき、ありがとうございました!