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2月 の 誕生石 を知っていますか?

 2月 の 誕生石  アメシスト (アメジスト)(amethyst)(紫水晶)は紫色の水晶(クリスタル)(石英)です。

古来より悪酔いを防ぐとされ、印章や装飾品として親しまれてきました。

【 2月 誕生石 】

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2月の誕生石はアメジスト!

皆さんは2月というと何を思い浮かべますか?

日本の暦の上では春が訪れる2月。

とは言えまだまだ寒さは厳しく雪が降ったりもしますし、寒さが一番厳しいイメージが強いですよね。

行事としては節分やバレンタインがあったり、最近ではSNS上で猫の日の投稿が賑わったりもしますね。
そんな2月の日本の誕生石は アメシスト ( アメジスト )( 紫水晶 ) 。

◇12か月の誕生石について詳しくはこちら→

アメシスト1種類だけ、というと他の月に比べて2月生まれの方は少し寂しいような印象を受けるでしょうか。

アメシスト = 紫 のイメージが強いですが、紫色って好みのわかれる色ですよね。

好きな方はとても好きだけど、中には苦手な方もいらっしゃいます。

しかしアメシストは一言で紫といっても、一般的にイメージされる紫色だけではないんです。

それにアメシストは古来から人々に愛され、大切に扱われてきた石のひとつ。

歴史もとても長く、選択肢の多い現代でもとても人気のある石です。

今回はその魅力をご紹介していきたいと思います。

【 2月 誕生石 アメシスト ( アメジスト )( 紫水晶 ) 】

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アメジストは水晶の仲間です。

アメジストは紫水晶の和名からも見てとれるように、クリスタル(水晶)の仲間。

水晶は様々な成分が混じることで色が変化し、アメシストはもちろん、ローズクォーツ(紅水晶)やスモーキークォーツ(茶水晶、煙水晶)などと呼び名も変わります。

■モース硬度

モース硬度:7

■color

・青みがかった紫からラズベリーと呼ばれる赤紫のもの、明るいピンクがかった紫などです。

・色は濃く、色むらの無い石の方が価値は高いです。

・本来無色透明の水晶に、微量の鉄イオンが含まれると紫の発色が見られます。

・色帯が見られることが多く、大抵は色の濃淡の縞が角度によって見られます。

・最も価値が高いとされるのは、深く濃い紫。

(微量の鉄イオンと自然界に存在する放射線によって赤を帯びた深い紫の発色が見られます。)

・ガラス光沢(透明感が強くガラスのような光沢。石英に良く見られる。)が見られます。

・ほとんどの場合は肉眼で見ることのできるインクルージョンは含まれません。

・ハンマーなどで割ったり、カケてしまったりした場合、貝殻状の断面が見られます。


・アメシストに熱が加わることで黄色になったものをシトリン(黄水晶)と言います。

石の形成中に何らかの自然条件下で熱が加わりシトリンとなるものもゼロではありませんが、本当に稀少です。

一般的に流通しているシトリンは人工的に加熱処理が行われています。

◇シトリンやアメトリンについてはこちらをどうぞ→

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アメシストは大きな結晶が見つかることも多いです。

・比較的大きな結晶を形成するアメシスト。

人の身長サイズくらいのものもブラジルなどでは見つかっています。

こういった場合中が空洞(空洞部分の表面にはジオード(晶洞)を形成)になっています。

・1つの結晶内に紫と黄色が存在するものを「アメトリン」と呼びます。

こちらもシトリン同様、石の形成中に何らかの自然条件下で熱が加わりアメトリンとなるものもゼロではありませんが、更に稀少です。

一般的に流通しているアメトリンは人工的に加熱処理が行われています。

・アメシストと白水晶が1つの結晶内に存在するものは「バイカラーアメシスト」と呼ばれます。

こちらも形成途中で環境の変化が起こることでできる偶然の産物。

アメシストの色の元となる鉄イオンが結晶の中に入りこんだ時期とそうでない時期で色の異なる層が出来上がります。


・現在市場に出回っているグリーンアメシストは、主にアメシストに熱処理や放射線処理を施しエンハンスメント(石が本来持っている性質を引き出すために行う処理のこと。)したものです。
採掘時に緑色をした水晶は「プラシオライト」とも呼ばれます。

これはアメリカ合衆国の一部(カリフォルニアとネバタの州境)やブラジル、ポーランド、カナダのごく一部地域で産出します。

発色原因はやはりアメシスト同様に鉄イオンですが、三価鉄イオン(補色の黄色の発色)の他に二価鉄イオン(黄色の光を吸収することで補色は青)が影響します。

黄色 + 青色 で緑の発色になると言われています。

・アメシストは色を調整するために加熱処理などを施されることがありますが、値段に差が無いためあえて区別されないと言います。

■産地

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アメシストの主な産地はブラジルとウルグアイ。

・主な原産地はブラジルとウルグアイ。
アメシストは火山岩や堆積岩の低温熱水鉱脈から採掘される為、赤道付近で産出することが多いです。

ブラジルのバイア州産のものがとても質が良いとされています。

ブラジル産アメシストの中には、ラベンダーアメシスト(別名 ローズ・ド・フランス・アメシスト)と呼ばれるライラックのような淡い色味のアメシストがあります。

これは特にヴィクトリア時代に人気があったためアンティークジュエリーでよく見かけますが、昨今パステル系の石の流行と共に改めて注目を浴びています。

またブラジル同様にアメシストの採掘量の多いウルグアイ。

こちらはアメシストを国石に指定しているそうです。

他には南アフリカやインド、メキシコ、ロシアなどでも産出します。

そしてかつては私たちの住む日本でも採掘されました。

宮城や鳥取、石川などなど。

特に石川県では良質なアメシストが採掘されていたようで、特別に「加賀紫」と呼ばれたほど。

■歴史 

◇紀元前およそ3000年 

古代エジプト アメシストを使用した印章や装飾品が作られていたという記録が残っています。


◇紀元前およそ2500年 

ギリシャ時代のカボションカットされたアメシストがはめ込まれた金の指輪が発掘されています。


◇旧約聖書の『出エジプト記』ではユダヤ教の大祭司アロンが胸当てに着ける宝石の1つがアメシストでした。


◇1727年 

ブラジル産のアメシストが初めてヨーロッパにもたらされ、瞬く間に流行し、値段が高騰しました。


◇19世紀 

ブラジルの大規模な鉱床が発見されることにより、高騰していた値段が落ち着きます。


◇19世紀 

アールヌーボーのジュエリーに多用されるようになります。


◇今日でも需要があり、濃い紫色からパステル系の色味までとても人気があります。

■由来や言い伝え

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水晶にワインを注いだらアメシストが誕生した…?

◇「アメジスト?」「アメシスト?」

一般的にはアメジストと言われることも多い紫水晶。

英語の綴りが「amethyst」なので、カタカナ表記だとアメシストと表記します。

鉱物学上、また宝石業界ではアメシストと呼ばれることが多いようです。

ただ発音するときに日本語だと「アメジスト」の方が発音しやすいということがあります。

そのためアメシスト、アメジスト共に間違いではありません。

◇名前の由来は?

アメシストの名前の由来は古代ギリシャ語の amethustos(アメテュストス、アメタストス) (酔っていない、酒に酔わないの意)と言われています。

「メツウ」(葡萄酒の意)、「メタス」(酔う)の否定形でamethustos(アメテュストス、アメタストス)になったそうです。

古代ローマではアメシストの杯に注いだお酒は悪酔いしないと考えられていました。

キリスト教的な観点から考えると「人生に悪酔いしない」といった意味になるそう。

◇ギリシャ神話

ワインと豊穣の神であるディオニューソス(ディオニュソス、デオニュソス)(英語読みではバッカス、バックス(Bacchus))。

このディオニューソスが実はアメシストを作ったというギリシャ神話があります。

ある日酒に酔ったディオニューソスは、次に道を通る人物に猛獣をけしかけてやろうとたくらみます。

そんなところにたまたま通りかかってしまった運の悪い人物こそが、月の神アルテミス(ディアナ)に仕えるアメシストという女官。

アメシストが襲われそうになったその時…

その出来事に気づいたアルテミスは彼女を守るために透き通った石に変えたと言うのです。

これが水晶の誕生と言われています。

そしてその石を見て自身の行いを深く悔いたディオニューソスは、自身の作ったワインを彼女に手向け続けたと言います。

そのうちに水晶が葡萄色に染まり紫水晶になったというギリシャ神話です。

◇ギリシャ神話は妙に人間味のある神様たちが登場しとても興味深いです。

ディオニューソス(ディオニュソス、デオニュソス)について詳しく知りたい方はこちらをどうぞ→

◇二日酔いにも効果あり?

古代ローマではアメシストの盃に注いだお酒は、二日酔いだけでなく、人生の悪酔いからも身を守ると信じられていました。

これは先ほどの神話などにルーツがありそうです。

アメシストの盃だけでなく、アメジストを粉末にして飲むと二日酔い防止の薬になると信じられていたんですから驚きですね。

これにはもちろん科学的な根拠はありません。

ただアメシストは赤ワインと色が似ています。

そのためアメシストのグラスにワインを注ぐと、実際の量よりも多く見えるため無意識のうちに飲む量を制限するといった心理的な影響があり、悪酔いを避けてくれたのではないかと考えられます。

◇それ以外の「酔い」にも効く「酔い覚ましの石」ともいわれるアメシスト。

お酒以外にも、船酔いや人生の悪酔いから身を守るとされていました。


◇「ローマ教会の石」と言われたアメシスト

カトリック司祭などの服や装飾品にはアメシストが飾られます。

宗教的献身のシンボルとされていたアメシスト。

悪いものから身を守る、欲望から身を守る、といった効果があると信じられていたためです。

◇聖バレンタイン

2月になると注目を浴びることが多くなる聖バレンタイン。

愛の守護聖人とも呼ばれていますね。

彼はキューピッドの刻まれたアメシストの指輪を身に着けていたと言います。

◇受け継がれるもの

質の良いアメジストは宝飾品や王冠に使われ、何代にもわたり引き継がれました。

かつてはルビーやエメラルド、サファイアと同等に価値が特に高いと考えられていたのです。

有名なアメシストとしてはイギリス王室の戴冠式のレガリア(王や君主の正当性を象徴するもの、例えば王冠や王笏など)に使われているものでしょうか。

◇聖徳太子と紫という色

古代から多くの人に特別な色として大切にされてきた紫色。

日本では最も高貴な色とされ宗教的な儀式に用いられてきました。

私たちが小学校の歴史で習った聖徳太子も、「冠位十二階」の最高位の色を紫と定めました。

その中で最も高貴と定められた「大徳」は濃い紫色。

続く「小徳」は薄い紫色でした。

日本では紫色=高貴であるといった考え方は飛鳥時代からのものだったんですね。

そしてこういった考え方は面白いことに、日本だけではないんです。

世界中でそういった見方は存在しますが、中国でも紫色はとても高貴とされ、皇帝だけが身に着けて良い色と言われていました。

イギリス王室では現在でも王室がロイヤルパープルとして用いるので、紫が高貴な色であるというのは伝統として残っているのでしょう。

◇誕生石・結婚記念日石

日本では2月の誕生石、そして結婚17周年の記念の石に選定されています。

◇15世紀頃の天文学者 カミッロ・レオナルディ(CAMILLO LEONARDI)

イタリアの天文学者であり占星術の学者でもあったカミッロ・レオナルディ。

「アメシストには邪念を取り除き知性を蘇らせる力がある」と書き残したそうです。

(日本の様々なサイトを調べるとレオナルド・ダ・ヴィンチがこう言ったと記載しているサイトがとても多いです。

しかしダ・ヴィンチとアメシストに関係があるというのはフェイクだと私は考えます。

私は専門教育を受けてからかれこれ20年ほど宝飾に携わってきましたが、この情報は聞いたことがありませんでした。

そのため日本、海外の文献や情報サイトを確認し調べましたが、レオナルド・ダ・ヴィンチとアメシストの関係を語る元となった文献などは確認が取れないのです。

先述のカミッロ・レオナルディが言ったと言われている言葉と、日本のサイトでレオナルド・ダ・ヴィンチが言ったと書かれている言葉は不思議なことにほぼ一致しています。

また名前がレオナルディ「Camillo Leonardi」とレオナルド「Leonardo da Vinci」で少々スペルに共通点があり活躍した時代も近いのです。

そのため恐らくなのですが、最初にアメシストとダ・ヴィンチの関係を記載したサイトが、カミッロ・レオナルディの名前をレオナルド・ダ・ヴィンチと勘違いをして掲載したものと考えます。

ダヴィンチの方が知名度高いですもんね。

またその記事を元に記載したサイトが沢山増えてしまったため、日本のサイトでのみ、ダ・ヴィンチとアメシストに関係があると記載されていると私は考えています。

ちなみに海外のサイトではダ・ヴィンチとアメシストに関係があると記載するサイトは今のところ確認が取れませんでした。

しかし恥ずかしながら私のリサーチ不足、不勉強の可能性もあります。

ですのでダ・ヴィンチとアメシストの関係に関して書簡、文献等ご存じの方がいらっしゃいましたら是非お教えください。

私個人としても関心のある情報ですし、サイトの情報の正確性のためにもご教示頂けましたら幸いです。

2021年1月)

◇ご存じの方はお問い合わせよりお願いいたします。→

■アメシストのお手入れ & クリーニング

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お手入れや保管方法で気を付けたいポイントは?

アメシストのモース硬度は7。

靭性(※靭性とは衝撃に対してどのくらい強く、割れにくいかを示す指標。)もあるので日常的に使用するのにも適しています。

しかし傷をつけたりカケさせたりしないためにも、ぶつけたり落としたりすることの無いよう、気をつけましょう。

普段は柔らかい布でのお手入れで十分ですが、汚れが気になる場合は食器用洗剤を溶かしたぬるま湯で優しく洗ってください。

その後は流水で洗い流し、水気をしっかりとふき取ります。


超音波洗浄機の使用は、フラクチャー充填(見た目のクラリティや外観、安定性を改良するため、ガラス、樹脂、ワックス、オイルなどで充填すること。充填素材は、固形物(ガラス)から液体(油類)まで様々)や染色、処理されていないアメシストであれば使用しても大丈夫です。

しかしアメシストは急激な温度変化によってひび割れを起こす可能性があるので、蒸気洗浄は避けてください。

またフッ化水素酸やフッ化アンモニウム、アルカリ溶液は損傷を起こすので注意しましょう。

砂やホコリの成分というのは、一般的には微細な鉱物種のクォーツ(石英)などを含みます。

アメシストは石英の仲間です。

モース硬度が7と比較的傷がつきにくい石であっても、ホコリや砂の中にもモース硬度7のものが含まれます。

その場合モース硬度7の物同士であれば、傷が付くこともあり得ます。

ですのでホコリがかからないように密閉できるものに入れ、他のアクセサリーやジュエリーと当たらないような工夫をしてください。

個別に密閉袋や布などで包んだうえで、ジュエリーボックスなどにしまう方法が良いでしょう。

またアメシストは紫外線で退色する性質があります。

必ず長時間日光が当たってしまう環境は避けて保管しましょう。

【 まとめ 】

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アメシストは意外とカラーバリエーションが豊かです。

2月 誕生石 アメシスト をご紹介してきました。

アメシストと一言で言っても、深い紫色から淡いライラック、バイカラーやグリーンと色のバリエーションがとても豊富。

色も均一に出ているもの、濃淡が見られるもの、グラデーションが個性的なものなどなど、それぞれに魅力があります。

お値段は品質によってというのはもちろんですが、比較的幅広いので、リーズナブルなものも見られ気軽に試すことができます。

アクセサリーとして、ジュエリーとして身に着けるのに、自身のお気に入りを探す楽しみがありますね。

アクセサリーはあんまり身に着ける習慣がないな…とか、業種的に身に着けていられないな…といった2月生まれの方は原石で探してみるのもいいかもしれません。

原石はそれぞれに個性的な物も多く、なかなか面白いんです。

台やケースにこだわると、部屋のインテリアとしても素敵ですよ!

◇実はヴィンテージやアンティークとも相性がいい鉱物。

こういった飾り方おススメです!→

ぜひぜひご自身だけのアメシストを見つけてみてくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました!