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8月 の 誕生石 を知っていますか?
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8月 の 誕生石 ペリドット ( ペリドート )( Peridot )は鉱物的にはオリビンというかんらん石。
同じく8月の誕生石である サードニックス ( サードオニキス )( Sardonyx )は、めのう(カルセドニーグループとアゲートグループの総称)の仲間のカーネリアンに縞目が見られるものをそう呼びます。

【 8月 の誕生石 】

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8月と言って思い浮かべるものは…

皆さんは8月というと何を思い浮かべますか?

8月といえば日本では夏休みやお盆が代表的でしょうか。

そんな 8月 の日本の 誕生石 は ペリドット ( ペリドート )( Peridot )とサードニックス ( サードオニキス )( Sardonyx )。

◇12か月の誕生石について詳しくはこちら→

さわやかなグリーンのペリドットと、鮮やかなオレンジのサードニックスは、まさに日本の夏にピッタリのイメージです。

今回はこの2つの石にスポットを当てていきますね。

【 8月の誕生石 ペリドット 】

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イブニングエメラルドという別名をもつペリドット。

結婚15周年を祝う宝石にもなっているペリドット ( ペリドート )。

仄暗い照明のもとでも昼間と変わらず鮮やかな発色であるとして、イブニングエメラルド(夜会のエメラルド)という別名を持っています。

しかしペリドット ( ペリドート )の誕生はそんなエレガントなイメージとは真逆の、とても過酷な条件のもと形成されます。
地球のマントルの奥深くから運び出された溶岩が凝固する際に見つかったり、宇宙から落ちてきた隕石の中で見つかったり…。
2003年には火星でも発見されていて、なんともロマンに溢れていますね。

そんなペリドット ( ペリドート )の詳細を見ていきましょう。

■モース硬度 

6.5~7

■color 

Photograph of August birthstone peridot3
鉄やニッケルの含有量によって発色が変わります。

ペリドット ( ペリドート )はオリビン (Olivine)(橄欖石(かんらんせき))という鉱物です。
色は基本的にオリーブグリーン。

この緑色の濃さを左右するのは結晶内部の鉄イオンの量が関係します。

発色原因でもある鉄分は多すぎると黒ずんだ緑色となってしまうため、鮮やかな黄緑色の場合ごく微量に含まれるニッケルが影響していると言われます。

言葉ではオリーブグリーンというようにひとくくりにされてしまいますが、黄色味が強かったり茶色味が強かったりするのはこの鉄イオンや微量なニッケルの含有率で変わってきます。

黄色っぽいものよりも暗めで深みのあるオリーブグリーンのほうが価値が高いとされます。

■産地 

Photo of St. John's Island
美しいセントジョーンズ島でペリドットは採掘されました。

アメリカ、ブラジル、中国、ミャンマー、パキスタン、タンザニア、エジプト(紅海のトパズィオス島(現在のセントジョーンズ島))、サウジアラビアなど。

・約3500年以上も前からペリドットが採掘されていた紅海のトパズィオス島(現在のセントジョーンズ島)では、ペリドット(ペリドート)はトパーズだと勘違いされたまま採掘がおこなわれていました。

古代より唯一の産地であったものの長い世紀の間その存在は見失われてしまい、ペリドット(ペリドート)鉱山として再発見されたのは19世紀に入ってからとされています。

・特にミャンマー(元はビルマ)は透明性に優れた品質が産出するといわれています。

・アメリカのアリゾナ州では数千年前の噴火で砂漠一体に溶岩が流れ出したことでペリドットが採掘できるようになり、現在そこを居住地としているアパッチ族が採掘をしています。

・ハワイ島の海岸でも多少の産出があり、ハワイアンペリドートとしてよく知られています。

しかし宝石用途の大きさのものは殆どないため、ハワイ名物としてお土産用に販売されているものはアリゾナ産やオーストラリア産が多いといわれています。

・珍しいものだとニッケル鉄とオリビンで生成されているパラサイト隕石の中に、ペリドット ( ペリドート )を含んでいるものもあります。

しかし地球に衝突する隕石の多くの物がペリドット ( ペリドート )の成分であるオリビンを含んでいますが、残念ながら宝石質のものはほんの僅かしかありません。

■歴史

・記録ではエジプトのザバルガット島(紅海のトパズィオス島(現在のセントジョーンズ島))が最古の原産地とされています。

ここでは紀元前340~279年ごろに始まった可能性があるということ。

この島は良質なペリドット ( ペリドート )が産出されたものの、環境がとても過酷だったため「死と蛇の島」といった名前がつけられました。

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隕石にも含まれるなんて、何ともロマンのある話です。

・ペリドット ( ペリドート )は先程も少し書きましたが、隕石にも含まれます。

記録では1749年にクラスノヤルスクで発見された約800kgの石鉄隕石、1722年にドイツの学者ペーター・ジーモン・パラスが研究をしました。

ニッケルと鉄などの合金の中に橄欖石が含まれるこの鉱物はパラス石(パラサイト)と名付けられました。

ドイツの物理学者であり、天文学者でもあるエルンスト・クラドニは地球外起源説をはじめて唱えましたが、18世紀当時は隕石落下の事例も少なかったことも手伝い、学会では認められることはありませんでした。

しかし19世紀になり隕石の落下がヨーロッパで目撃されるようになると、ようやくクラドニの地球外起源説が認められたのです。

・古来からとても神聖であるとされてきたペリドット ( ペリドート )。

隕石のみならず、2003年には火星でも発見されました。
地球以外の惑星で発見された初めてのジェムストーンです。

・長い間ペリドット ( ペリドート )だと思われて採掘されてきた褐色を帯びたものが、1951年の発見により全く別の鉱物であると発見されたことがありました。

その新種の鉱物はスリランカで発見されたため、シンハライト(スリランカの古い名であるシンハリに由来)と命名されました。

■由来や言い伝え

Image of studying the origin of jewels
ペリドットの由来や歴史を見ていきましょう。

・ペリドット ( ペリドート )の語源は諸説ありますが、アングロノルマン語のオパールの一種である「pedoretes」、もしくはアラビア語で”宝石”という意味の「faridat」に由来しています。

・古くはクリソライトと呼ばれ、オリーブがかった緑色のもののみを ペリドット ( ペリドート )と呼んでいたといいます。
イギリスでは鉱物名からオリビン、アメリカやドイツでは主にクリソライトの名称が使われたといいます。

しかしオリビンの鉱物名が使用される石はペリドット ( ペリドート )以外にもあり、クリソライトという名前も緑の透明石全般を指す古い名前のため明確さに欠けるということで、混乱を避けるためにもペリドット ( ペリドート )に統一されたといいます。

・古代から中世の文化ではとても貴重なものと考えられ、紀元前2世紀には司祭が宝飾品として着用し、その後中世ヨーロッパで教会や聖杯に使われてきました。

・古代エジプト王朝では国家の象徴でもある「太陽神」にペリドットを見立て、崇めていたとされています。

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8月の誕生石であるペリドットが飾られているというケルン大聖堂

・これまでの歴史でペリドットはトパーズやエメラルドとよく混同されてきました。

特にエメラルドとはよく間違えられ、それはヨーロッパの教会でも見受けられます。

中でもケルン大聖堂に飾られているThree Magi(東方の三賢者)と呼ばれるペリドットは、過去にはエメラルドだと考えられていたようです。

■お手入れ & クリーニング

Photograph of August birthstone peridot
ペリドットの気になるお手入れ方法は…?

ペリドットは酸に弱い宝石です。

酸性の汗に長期間晒されることで損傷を受けることもあります。
そのためクリーニングは慎重に行う必要があります。

熱にも弱いため、スチームクリーナー、超音波洗浄は使用できません。
温水で低刺激の石鹸で、柔らかいブラシを使ってクリーニングするのが安全です。

ペリドットの硬度は6.5~7と弱くはありませんが、結晶部分に沿って割れやすい性質を持っているため、取り扱いには注意が必要です。

◇ペリドットについて詳しく知りたい方はこちら→

【 8月 の 誕生石 サードオニキス(サードオニックス)】

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サードオニキスはカルセドニー(玉髄)の仲間。

8月のもう一つの誕生石、サードニックス ( サードオニキス )。

これはカルセドニー(玉髄)のひとつ。

赤から褐色、白色の縞模様のあるものをサードオニキス、サードオニックス、サードニクス、サードニックスなどと呼びます。

「サード」が秋の色という意味で、ブラウン、赤、黄色を表し、「オニキス」はメノウ(瑪瑙)=縞という意味があります。

縞のないものはカーネリアンと呼ばれ、昨今サードニックス ( サードオニキス )とは区別されています。(※過去には褐色がかった赤色のものは、縞目の有無にかかわらずサード(Sard)と呼ばれていました。)

カーネリアンは7月の誕生石に名前を連ねることもあります。

◇詳細はコチラをどうぞ→

■モース硬度 

6.5 ~ 7

■color

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色のグラデーションがとても美しい縞模様を見せてくれます。

主に濃い赤からオレンジ、褐色と白から黄色の縞模様。

(一般的には産出されたままだと色が薄い為、加熱処理・着色処理によって発色を鮮やかにする加工が施されています。)

瑪瑙(アゲート)と玉髄(カルセドニー)の成分は同じです。

一般的に縞模様があるものを瑪瑙(アゲート)、縞模様がない半透明の石を玉髄(カルセドニー)と呼び分けます。

しかしカルセドニーグループの中でもオレンジ~赤褐色で縞模様のあるアゲートはサードオニキス(サードオニックス)と呼ばれます。

■産出地

ブラジル、ドイツ、マダガスカル、ウルグアイ、インド、中国などが主な産地です。

■歴史 

・4000年以上さかのぼる歴史があります。

旧約聖書にもあるように大司祭の胸甲に飾られた石の一つだと考えられています。

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印章や紋章を彫刻し署名にも使用していたリングは、 もともとは貴族のみが所有できる“身分証明”でもありました。

・多くの歴史書にも登場し、古代ではサードオニキスには熱せられたワックスが付着しないため、紋章やシグネットリングに使用されてきました。

また縞模様が様々な色を織りなし美しいとされ、その縞を利用したカメオやインタリオ(沈み彫り)の材料として重宝されます。

■由来や言い伝え

・サードオニキスはサードニクス、サードオニックスなどとも表記します。

これは英語の「sardonyx」の発音の違いだとか。

サードというのは紀元前にアナトリア半島(現トルコ)にあった王国の首都「sardis」が語源。

オニキスはギリシャ語の「爪」を意味していて、この二つを組み合わせた呼び名ともいわれています。

■お手入れ & クリーニング

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加熱処理されることが一般的です。

通常、サードオニキスは、ほかのカルセドニーのように加熱処理・着色処理されています。

日常の手入れとしては柔らかい布の乾拭きで十分です。

高熱はサードオニキスの色に影響を与える可能性があるため、超音波洗浄機やスチームクリーナーは避けた方が安全です。

もし、しつこい汚れがついてしまった場合はペリドット同様、温水と低刺激の石鹸で、柔らかいブラシを使ってクリーニングする方法がオススメです。

その際は汚れが落ちたらよくすすいでから、柔らかい布でしっかりと水気を拭いてください。

また紫外線に弱いので保管は直射日光を避けてください。

【 まとめ 】

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8月の誕生石、ペリドットとサードオニキスについてご紹介してきました。

どちらの石も古来から愛されてきた歴史のある石です。

透明感のあるオリーブグリーンのペリドット ( ペリドート )( Peridot )と、オリエンタルなイメージもあるオレンジの縞模様のサードニックス ( サードオニキス )( Sardonyx )。

どちらもとても魅力的ですね。

何となくペリドット ( ペリドート )の方が高価なイメージもありますが、品質によってはお手頃なものも沢山あります。

そしてカーネリアンやサードニックス ( サードオニキス )というと数珠っぽい大振りなアクセサリーをイメージする方も多いですが、昨今は華奢なアクセサリーも沢山出てきているので、沢山の中からご自身の好みに合ったものを選ぶことができますよ!

もし8月生まれの方でペリドットかサードニックスか迷ったら、ご自身のパーソナルカラーを参考に選んでみるのも新しい発見があって楽しいかもしれません。

◇パーソナルカラーについてはコチラをどうぞ→

最後までお読みいただきありがとうございました!