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アルコール消毒がアクセサリーやジュエリーに及ぼす影響は?

アクセサリー に アルコール消毒 をすると アクセサリー を痛めてしまうこともあります。
今回はどういった素材ならアルコール消毒をして問題ないか、アルコール消毒ができないのであればどうしたらいいかについてご案内します。

【 はじめに 】

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どこへ行っても手指のアルコール消毒をすることが日常となりました。

昨今どこへ行っても、まずはアルコールで手指を消毒する毎日を過ごす私たち。

家に帰ればうがい手洗いをして着ていた洋服を洗濯籠にいれ、ウィルスに対して細心の注意を払って生活していることと思います。

自身の体や洋服は気軽に洗って埃やウィルスに注意をはらうことができますが、ではアクセサリーはどうでしょうか?

気になった事、ありませんか?

外出先でアルコール消毒をする機会が増え、手洗いの回数も自然と増えて、手荒れになる方が増えているという話もよく聞きます。

消毒のためとはいえ、私たちの肌に少なからず刺激のあるアルコール消毒。

このアルコール消毒、アクセサリーによっては付着する可能性もあります。

そういった場合にアクセサリーに影響はないのでしょうか?

そして外出先から帰宅したら身に着けていたアクセサリーも消毒したほうがいいのかどうかといった疑問を持っている方もいらっしゃると聞きました。

コロナウィルスが蔓延しているからこそ、気になる方も増えていると思います。

今回はそんな疑問にお答えしていくために、 アクセサリー と アルコール消毒 についてご案内していきます。

【 アクセサリー や ジュエリー も消毒が必要? 】

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アクセサリー や ジュエリー は外出後に 消毒する必要がある?

外出後のアクセサリーやジュエリー、消毒する必要がある?

外から帰ったらまず手を洗う、外出先ではアルコールで手指消毒をする、一般的なウィルス対策。
では、身に着けているアクセサリーは何か対策をしていますか?

実は細かく言ってしまうと対面販売やネットでの販売に関わらず、ジュエリーやアクセサリーというのはウィルス感染の危険性がゼロとは言い切れないのだそうです。
これは販売されている食品や様々な商品もしかり。
販売されているときはどのように扱われているかわからず、沢山の人の手に触れるのだから当たり前といえば当たり前の話なんですが、改めて言葉にするとちょっと恐ろしいですね。

単純に金属などの表面で、ウィルスが生存できる時間は2~3日程度といわれています。
しかし金属やガラスやプラスチックの上で、温度が低く、乾燥しているような条件が整うと最長で9日間もの間生存しているといいます。

銅や銀などは素材の持つ殺菌作用で、ある程度ウィルスが不活性化されます。
◇真鍮や金属の抗菌性能についてはコチラをどうぞ→

真鍮や銅や銀などの金属には抗菌性能があるとはいえゴールド(金)やステンレス、ましてやプラスチックなどはウィルスの反応性が低いため、最短で2日から最長9日ほど残ってしまう可能性があるんだそうです。

そうであれば対面販売はもちろんですが、私たち通販をしているハンドメイド作家も細心の注意が必要かもしれません。

それに、日常で身に着けたアクセサリー。
これらも家に帰ったら消毒したくなるという方の気持ちも頷けます。

ではアクセサリーを家にあるアルコール消毒液で拭けばいいか、というと実はそういうわけにもいかないんですね。
素材によってはアルコールが駄目な物もありますし、アルコールではなく次亜塩素酸水がだめなものだったり、水洗いができないものだったり…これがアクセサリーやジュエリーの難しいところです。

【 消毒の方法は? 】

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消毒に使えるものはどんな物?

ではどんな消毒の方法があるのでしょうか?

ウィルスの消毒について望ましいとされている方法は、基本的にはこちら。

  • 62~71%のアルコール
  • 過酸化水素0.5%が含まれる漂白剤
  • 0.1%の次亜塩素酸ナトリウムが含まれる家庭用漂白剤

これらで表面を消毒することで、コロナウィルスは1分以内に不活性化すると言われています。
そして他に考えられる方法としてはこんな方法もあります。

  • 紫外線照射や蒸気消毒
  • 超音波洗浄機
  • 石鹸水で洗う

しかしどれも素材によっては使用できないこともありますので、注意が必要です。

【 アルコール消毒 】

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アルコール消毒 、どんな事に気を付けたらいい?

まずジュエリーやアクセサリーをアルコール消毒で注意すべき点を見ていきます。

アルコールで拭くことで手軽に消毒が可能です。
アルコール液に浸すことで、細かいデザインのものでも消毒ができます。

しかしアルコールで傷んでしまう天然石や素材もあります。
素材に分けてみていきましょう。

・貴金属(金・銀・プラチナなど)

メッキをされていない貴金属はアルコール消毒で問題ありません。
割金が反応する場合も無くはありませんが、日本のジュエリーであればまず問題ないです。
(海外のものは割金などの割合や素材によってジュエリーが傷む原因になる可能性もありますのでご注意ください。)

※割金について知りたい方はこちらをどうぞ→

金やプラチナのチェーンなどは、小さな蓋のできる容器にアルコールとチェーンを入れ軽く振ります。
そのまま数分放置したのち、タオルやティッシュに取りだしアルコールを蒸発させ、柔らかい布で拭くと埃や皮脂などの油汚れも取る上に、消毒にもなります。

・真鍮や銅

基本的には真鍮自体に高い抗菌性能があるのでアルコール等で消毒する必要性はあまりありません。
それに通常販売されている真鍮製品にはニスやラッカーなどが塗られている可能性があります。
これは真鍮の変色を防ぐためで、真鍮の食器類であればこういったものは塗られていません。

もしニスやラッカーが塗られている真鍮にアルコール消毒をしてしまうと、ニスやラッカーがアルコールと反応し、変色等が起こる可能性がありますのでお気をつけください。
ニスやラッカーなどの塗られていない無垢の真鍮であれば基本的には反応することはないと思いますが、こういった結果も出ているようです。

消毒液の種類や濃度等などにもよるところがあるかもしれません。
もしどうしてもウィルスが気になるようであれば、食器用洗剤で優しく洗ったのち、しっかりと洗剤を洗い流し、水気を切った後に柔らかい布で拭きあげましょう。
この時に水気が残ったまま放置すると緑青などが出てしまう事があるのできちんと水気を取るようにしてください。

・他の金属

アルコール消毒液の濃度にもよりますが、基本的には一般的なアルコール消毒液であれば使用しても問題は無いです。
これは金属が錆びるより前に、アルコール成分が乾燥すると考えられるため。
(※金属自体は通常酸化膜で覆われているので、酸化膜も大きな意味合いで言えばサビの仲間。
そういった点から考えると「錆びない」と表現するのは少し変な感じもしますが、浸食・破壊するタイプのサビはでないといった意味合いで「錆びる前に」といった表現をしました。)
◇錆の種類についてはコチラをどうぞ→

しかし金属の種類はとても多いので、真鍮同様、アルコールで消毒するよりは食器用洗剤とぬるま湯で洗い、水気をしっかりと切ったのちきちんと乾かす方法を取った方が良いです。

また消毒するといった働きは全くない無水エタノールですが、これは掃除に使用されたりしますが、金属との相性は最悪です。
金属が腐食しますので、掃除の際などにアクセサリーやジュエリーに付着しないよう気をつけましょう。

・宝石

基本的には美しさ、稀少性、耐久性の3つの条件をそろえたものが「宝石」というカテゴリーに入ることができます。
(もちろんオパールのような例もありますが…)
そのためアルコールに影響を受けるほど、素材として弱くはないものです。
ただ問題ないといわれる石でも長時間つける必要はありません。

問題ない宝石の代表としては、
ダイヤモンドやルビー、サファイアなど(下で詳しくご説明しますが、フラクチャー充填(見た目のクラリティや外観、安定性を改良するため、ガラス、樹脂、ワックス、オイルなどで充填すること。充填素材は、固形物(ガラス)から液体(油類)まで様々)をされていないものに限ります。)。

逆に絶対にアルコール消毒しないでほしい宝石は、エメラルド
(一般的に市場に出回るエメラルドはエンハンスメント(石が本来持っている性質を引き出すために行う処理のこと。)でオイルが含侵されている為、その処理に影響がでます)、や真珠(パール)や珊瑚(コーラル)などの有機物からできた宝石。
他はオパールなども影響が出る可能性があるので、アルコールを付着させない方がいいように思います。

◇エメラルドについてはコチラをどうぞ→

エメラルドのオイル含侵に使用されるオイルの種類は様々ありますが、中にはエポキシ樹脂類を使用している場合もあります。
その点を考えるとエポキシ樹脂を使用した2液レジンのアクセサリーもアルコール消毒は避けた方が良いでしょう。

他にもエンハンスメントとしてエポキシ樹脂類が含侵されている可能性のある石はあまり一般的ではありませんが、ダイヤモンド、ルビー、サファイア、水晶、アクアマリン、トパーズ、トルマリンは可能性がありますので、わかっている場合は使用しないでください。
充填の有無がわからない場合も高価なものですので、避けるべきです。

アルコール以外のオキシドールや次亜塩素酸ナトリウムも使える宝石は多いですが、やはり真珠(パール)や珊瑚(コーラル)などは使用しないでください。

※貴金属や宝飾品の定義についてはコチラをどうぞ→

・天然石

先ほど少し触れたように水晶でフラクチャー充填されていないようなものであれば問題ありません。
しかし染色されたようなもの(染色されている可能性の高いものはシトリンやアメジスト、アクアマリンなどなど)もアルコールの消毒で色が抜ける可能性もあります。
またターコイズのような多孔質(内部に無数の微小な穴のあるもの。水分がしみこみやすく色が変わりやすい特性を持つ)の石もアルコールでの消毒には向きません。

もしアルコールがついてしまった時は放置せずすぐに柔らかい布で乾拭きしてしみ込ませないことが大切です。

・メッキ

基本的にメッキされたものはアルコール消毒で傷みます。
アルコール消毒はできません。
もしウィルスが気になる!といった場合はぬるま湯と食器用洗剤で優しく洗い、水気をしっかりときって柔らかい布で拭きます。
擦ったり、研磨剤のついた布で拭くとメッキがはがれてしまうので、あくまで優しく、手短にお手入れしてください。

外出中に手指をアルコール消毒をする場面は現在とても多いです。

指輪などは特に影響を受けやすいアクセサリーやジュエリーです。
装飾のあるアクセサリーはアルコール消毒液が細工のある部分に溜まりやすいですし、指と指輪の間にアルコール消毒液がとどまることも考えられます。
アルコール消毒液が蒸発するまでの時間が短時間といえど、あまり長時間アクセサリーやジュエリーに消毒液がついたままになるのは長い目で見るといいとは言えません。

もし水洗いができるアクセサリーやジュエリーであれば、帰宅後に水で洗ってしっかりと乾かすと良いかもしれません。
水洗いができないものであれば、アルコール消毒液が掛からないように注意するようにしてください。
かかってしまった際はその時にすぐに柔らかい布で拭きとりましょう。

また革製品やプラスチック製品、ニスやラッカーで塗装されているようなものもアルコール消毒液に反応します。
革製品は光沢がなくなりますし、プラスチック製品は表面が濁ります。
ニスやラッカーが塗装されているようなもの、接着剤はその部分が溶けたりすることがあります。
ハンドメイドのアクセサリーは接着剤でパーツをつける作家さんも中にはいらっしゃいますので、アルコール消毒液での消毒には注意が必要です。

物によっては劣化・変質を引き起こすことがあるのでアルコール消毒液を使う際はきちんと素材を確認するようにしたいですね。

【 アルコール消毒以外の方法は?】

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アルコール消毒以外の消毒方法は?

アルコール消毒以外に考えられる方法は?

・紫外線照射や蒸気消毒

紫外線での消毒であるとか、蒸し器を使った蒸気消毒などもありますが、設備を考えると簡単に取り入れることは難しいかもしれません。
それに紫外線消毒の場合、光を当てる裏側は消毒されないといった点や、紫外線で退色する可能性のある天然石には使えません。
(紫外線で退色する可能性のある石はアメジストやクンツァイト、フローライト、モルガナイト、トパーズなど。カルサイトやマラカイト、クリソコラ、ラピスラズリも退色の速度は遅いものの、紫外線を避けた方がいいです。)

・超音波洗浄機

ジュエリー関係の方であれば超音波洗浄機をご自身でお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
超音波洗浄機であれば、ぬるま湯に食器用洗剤などを混ぜ、中にアクセサリーやジュエリーを入れ超音波で振動をおこし洗浄するので、効果を期待できます。
私たちが石鹸で手を洗うことのスペシャル版といった感じですね。
洗剤などに含まれる界面活性剤がウィルスの細胞膜に吸着・破壊することでウィルスを死滅、細胞膜の不活性化をさせるのです。

ただこれも全てに使えるというわけではなく、超音波洗浄機での使用ができない天然石もあることことを忘れてはいけません。
(超音波洗浄機が使えない天然石はエメラルドやタンザナイト、ペリドット、トパーズ、ムーンストーン、翡翠、ターコイズ、ラピスラズリ、オパール、有機質宝石(真珠、珊瑚、べっ甲、象牙、琥珀)など)。

・石鹸水で洗う

一番お手軽な方法ですが、石などによっては石鹸水やハンドソープの洗浄成分が良くない場合もあります。
洗いたい場合は刺激の少ない食器用洗剤を使用する方が良いです。

また先ほど挙げたような有機質宝石や水が駄目な石は基本的に石鹸、食器用洗剤共にNGです。

・次亜塩素酸ナトリウム

次亜塩素酸水の消毒液は濃度にもよりますが、金属類、天然石ともに悪影響がある場合が多いです。
金属類も錆びが発生することもあります。
漂白剤としてお馴染みのハイターなどもこの次亜塩素酸ナトリウム。
こういった消毒液しかないような場面で、手指の消毒をする際は必ず指輪などは外しましょう。

【 一番いいのは…? 】

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1番いい方法は…?

では、どうするのが一番いい?

石鹸やハンドソープ、アルコール消毒液、使えるものと使えないものがあることを書いてきましたが、どうするのが一番いいのでしょうか。

どうしてもアクセサリーやジュエリーを消毒したい時に一番安全な方法は、刺激の弱い食器用洗剤とぬるま湯で洗う事です。

水がNGでない石や素材の場合は無理にアルコール消毒などすることを考えるより、この方法で洗浄、乾燥させる方が安全です。

手指消毒などでうっかりアルコールがついてしまって、アクセサリーやジュエリーが心配な時もこの方法が有効です。
頑固な汚れがついているような時はぬるま湯にしばらく漬けて汚れを浮かせてから食器用洗剤で洗うようにしてください。

また、外出先で手指消毒や手洗いをするような場面では、アクセサリーにとって一番いいのは身も蓋もないですが、アクセサリーやジュエリーを外すこと。

しかし失くしてしまう心配や、面倒くささがありますよね。
うっかりそのまま手指消毒したり手洗いしてしまうこともきっとあるはず。

そんな時はできるだけ早くアクセサリーを柔らかい布で拭くことをしてください。

残念ながら水がNGな宝石や天然石、素材の場合は、食器用洗剤での洗浄もできませんし、アルコールなどがついてしまうと状態が変化してしまいます。

アルコール消毒液を使用する際や手洗いの際は必ずアクセサリーやジュエリーを外すようにしてくださいね。

【 まとめ 】

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withコロナのこの時代、様々な物の消毒が気になりますね。

今回はアクセサリーとアルコール消毒についてご紹介してきました。

これまで紹介してきましたが、もちろんウィルスや菌によって効果がある消毒方法も変わってきます。
またアルコール消毒なども濃度や種類によって効果なども変化します。

それにアクセサリーやジュエリーも、金属の割金の種類やメッキの種類、宝石や天然石なら充填や熱処理等の有無、染色などの処理がどうなっているのか、事細かく把握している方は少ないと思いますし、把握しきることは到底難しいと思います。

ですので書いてきたことが全てのアクセサリーやジュエリーに有効とは限りませんが、参考としてお読みいただけたら幸いです。

withコロナの時代となり、これまで以上にうがいや手洗い、こまめな洗濯などを意識する方が増えているかと思います。
アクセサリーやジュエリーは日々身に着けるもの。
ウィルスや菌の付着が気になる方も多なっているのでは、と思いこのような記事を書かせていただきました。

最後までお読みいただきありがとうございました!