真鍮 ヴィンテージ パーツ はメッキが施されていない真鍮生地のままで、数十年前に製造されたパーツのこと。
corbata pajaritaも使用することがあるヴィンテージパーツについて、ご紹介していきます。
もくじ
【 はじめに 】

ハンドメイドのパーツでもよく耳にすることが増えた、ヴィンテージのパーツ。
ハンドメイドの素材でヴィンテージというとビーズやカボション、チャームやカメオなど様々なものがあります。
中でもカボションやカメオをセットするセッティングの台座や、チャームや制作の要ともなるスタンピングパーツは真鍮製が主です。
ヴィンテージのパーツがどういったものなのか、わざわざブログでお伝えするのはどうしてなのか、今回はそのあたりにスポットを当ててご案内していきます。
【 ヴィンテージ ということ 】

アンティーク、ヴィンテージには目安となる年数や基準があります。
以前にもブログでご紹介したことがありますが、基本的には目安となる年数や基準のようなものがあります。
■アンティーク
希少価値のある古美術や古道具のことで100年を経過したもの。
語源はラテン語のアンティクウス。
じつは経年の定義自体はもともとは存在せず、アメリカが1934年に通称関税法で「100年を経過した手工芸品、工芸品、美術品」と定義したことが通説となりました。
■ヴィンテージ
基本的には作られてから25年~100年未満(30年~と表記されるかたもいらっしゃいますし、20年~とおっしゃる方もいらっしゃいます)経過しているもの。
元々はワインにおいてブドウの収穫から醸造を経て瓶詰めをするまでの工程を表す言葉。
(ワインに使われるブドウの収穫年の記載もヴィンテージと呼ばれる)
語源がフランス語の”vendage”
そこからさらにさかのぼるとラテン語の葡萄を収穫するという意味からきています。
ワインのように時間をかけて良さが増したものをそのように呼んだことから、だんだんと家具や洋服、ジュエリーなど様々なものに用いられるようになったそうです。
◇他のにも古いものを表す際にブロカントやシャビー、ジャンク、レトロなどといった言葉が使用されますが、詳細はこちらのブログをどうぞ→
古ければアンティークだとか、ヴィンテージと呼ぶ訳ではないんですね。
どちらも美術的価値やコレクトバリューがあるもので一定の基準があり、それに添ってどう呼ばれるかが変わります。
古い雰囲気に加工したものをアンティーク風、ヴィンテージ風、というように紹介するのは問題ないとは思います。
しかし確信が無いのに古そうだからヴィンテージと表記したり、ヴィンテージの物をアンティークと表記してしまえば購入者の方に正しい情報をお伝えしないことにもなりかねません。
こんな風に言葉を理解せずにアンティークとヴィンテージを混ぜて使用してしまうと、信用問題にもなりかねませんのでご注意を…。
【 ヴィンテージパーツの魅力 】

ヴィンテージのパーツの魅力とは?
ヴィンテージのパーツは、経年経過による傷や変色などが見られる場合もあります。
中には長年保管されていたデットストックが見つかって、販売されるなんてこともあります。
ヴィンテージのパーツは現在では見られないデザインのものも多々あり、とても魅力的な素材です。
生産されていた当時はそのパーツ自体が大量生産のうちの1つだったかもしれません。
それが使用されずに保管されていたとしても、経年経過でパーツ同士が擦れて小傷ができたり、色が変わったり…
それは新品の物とは異なる風合いかもしれませんが、そういったものは全て、そのパーツが経てきた年月を物語るもの。
唯一無二であることの証でもあります。
そういった点も含めて、ヴィンテージの良さだと思っています。
【 ヴィンテージパーツ を選ぶなら? 】

ヴィンテージのパーツを購入したい!そんな時は?
昨今怖ろしいことに、ミリアムハスケルそっくりな中国製パーツなども出回っているそうです…。
確かに様々なショップを見ていると、ミリアムハスケルの制作に使用される形と同じパーツなのに記載が無かったり、恐らく本物のパーツで型を作り複製されたであろうものが販売されている事があります。
怖ろしいのはミリアムハスケルを知らずに、複製パーツを複製であると知らずに、使って制作してしまっている作家さんもいるであろうということ…。
◇ミリアムハスケルとは…
20世紀前半にコスチュームジュエリーのムーブメントを巻き起こした立役者の一人。
花や葉っぱなどをモチーフとしたデザインが特徴的。
ハスケルのジュエリーは優れた技術を持った職人の手によって細やかな手作業で仕上げられます。
素材にもこだわりがあり金属の色味をしっかりと合わせ、接着ではなくワイヤーで台座に括り付けられています。
裏面も洋服などに引っかかることのないよう完璧に仕上げられており、裏面を見ただけでもハスケルのものであるとわかるといわれています。
ミリアムハスケルのコスチュームジュエリーは今なお人気があり、コレクターもとても多いです。
そして現在もミリアムハスケルが使用したパーツと同じ形のパーツも、人気が高いです。
そんな事も起こっているこの時代、パーツを探す際には信頼できるお店を選びたいですよね。
私はパーツを探すときはまずこちらのお店を見させていただいてます。
◇ヴィンテージパーツのサクラシーエスさんはこちら。
コスチュームジュエリー、樹脂アクセサリー用パーツも充実しています。→
私は制作ペースがゆっくりなので沢山購入する事はできませんが、以前より度々買い物をさせていただいています。
なぜならそれは、きちんとした表記に添って販売をされているお店で信頼できるからです。
こちらのお店の真鍮パーツは、ヴィンテージの記載のあるものはヴィンテージショップより仕入れをされたヴィンテージパーツ。
また現行品のパーツでもミリアムハスケルなどの有名メーカーが使用してきたものと全く同じものを、同じ工場から、仕入れされています。
そしてヴィンテージの記載がないものに関しては現行品、もしくは製造時期がわからないものだそう。
これだけきっちりと記載をしてくださっているのは、本当にありがたい事です。
サクラシーエスさんの取引先であるうちのひとつ、アメリカの真鍮パーツの製造会社は創業から60~70年続く会社で、多くのスタンピングパーツが創業時より使用されている金型で作り続けられているそうです。
この取引先にサクラシーエスさんが発注をすると、同じパーツでもある時は最近製造したばかりのものが、しかしまたある時は随分と年数がたっているものが送られてくるそうなんです。
これはどうやらアメリカの製造現場においては、現行品とヴィンテージの区別がないからとのこと。
先ほどサクラシーエスさんのお店で記載がないものは、現行品もしくは製造時期がわからないもの、とご紹介しましたが、この裏にはこういった事情があったんですね。
けれどこのパーツ、現行品だったとしても50年以上前に製造された金型で作り続けられているということ自体がロマンがありますよね。
これだけでも十分にすごいことだと私は思います。
しかし、製造元においても区別されずに販売されているこういったパーツ。
世に出てしまえばヴィンテージか現行品か、どちらがどちらとも判定がつかないのも事実だそう。
サクラシーエスさんとしては、記載のないパーツで制作したものに関しては、
『50年以上前に製造された金型で作り続けられているパーツ』で制作をしたという表記が一番ふさわしいと考えているそうです。
【 まとめ 】

今回は 真鍮 の ヴィンテージ パーツ についてご紹介してきました。
私自身ヴィンテージのパーツを使用するときは、現行品のパーツを使用して作品作りをする時に輪をかけて、背筋が伸びる気持ちになります。
年月を重ねて縁あって私の元にきたパーツは、アクセサリーとなりお客様の元へ届きます。
昨今アクセサリーの選択肢も増えて、お値段もお手頃価格となっています。
流行の移り変わりも早いですよね。
ですがそんなときに1つだけ思い出してほしいと思うのは、ハンドメイドのアクセサリーの中にも年月を重ねてきたパーツを使用したアクセサリーもあるということ。
だめになってきたから捨てようとする前に、大事なアクセサリーの一つとしてお手入れをしながら使ってもらえたら…。
愛着をもってもらえたらなと思っています。
◇真鍮を使ったアクセサリーは、使用後に柔らかい布で拭いて空気を遮断する袋に入れて保管するだけでも、その後の状態が全く違います。
日常のお手入れに関してはコチラをどうぞ→