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ブローチとバッジは持つ役割が違うんです!

ブローチ と バッジ の 違い を知っていますか?
ブローチは主に装飾品として身を飾るためのもの、バッジは役職や階級、職種などを表すものを指します。

今回はこのブローチとバッジの違いや役割、近しいアイテムについてご紹介していきたいと思います。

【 はじめに 】

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ブローチとバッジ、何が違うの?

同じような形でも、用途によって呼び分けられる。

ブローチとバッジ。

どう違うのかなんて、考えたことはないでしょうか?

そもそも、同じものでしょ?と思ってらっしゃる方もいるかもしれませんね。

しかしブローチとバッジは、用途によって呼び分けられているんです。

ブローチは主に装飾品。

バッジは現代でいうところの名札や職種を表すために用いられます。

以前にご紹介したようにブローチの歴史は文明が発達して少し経った頃に考案されたと言われています。
バッジにはブローチほどの歴史はなくとも、バッジの辿ってきた歴史があります。

今回はブローチとバッジの違い、バッジの歴史にスポットを当てていきますね。

【 ブローチの歴史 】

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ブローチの始まりは…?

まずはおさらい。

◇ブローチの歴史についてはコチラをどうぞ。→

ブローチは文明が発達して少し経った頃に考案されたといわれています。

一般的に文明が発達し始めたのが、紀元前1500年ごろ。

黄河の流域に「殷」という王朝ができた頃と考えられています。

ブローチの元になったものを「フィビュラ」(フィブラ)(fibula)といい、紀元前2000年後半頃の青銅器時代ヨーロッパが発祥と言われています。

これは古代ギリシャやローマ帝国で衣類やマントを留めるために使われていたものです。

このころの衣類は布を体に巻き付けるだけのもの。

そのため巻きつけた布を何かで留めて固定するために使われたのが、「フィブュラ」でした。

これには様々な種類があり、民族によって違った衣類がローマ風に統一されるまでは民族性や身分を示す重要なアイテムでもありました。

これらが土地や時代によって少しずつブラッシュアップされ、服の構造が変化し、フィビュラで留める必要がなくなることで、装飾性に重点を置いたブローチが産まれたのです。

ブローチの歴史はフィビュラの存在無しには語れませんが、あくまでもフィビュラは「元になったもの」という位置づけであり、「ブローチ」=「フィビュラ」ではないのです。

ですが、「フィビュラ」を見ていくと元々は身分を示すアイテムであったとあります。

これは今から詳しくご紹介をしますが、今回のテーマにもある「バッジ」に近い用途であったように感じます。

◇「フィビュラ」(フィブラ)(fibula)についてはコチラをどうぞ→

【 バッジの歴史 】

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バッジの歴史って…?

バッジはいつ産まれたの?

◆徽章

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「勲章屋」という職種があったのです。

バッジは衣類の襟や胸部分につけるもので、その人の所属や階級、資格などを表す徽章(き章)のこと。

軍隊で階級章などとして使用される場合には肩につけられることもあります。

日本の徽章という言葉は1875年に制定されたそう。

もともと「徽章」という言葉がなかった時代はそういったものを作る職業を「勲章屋」と言ったそうです。

その後徽章であったり七宝、ネームプレートなどと言われるようになり、「メダル屋」という屋号を経て現在でいうところの「徽章屋」と言われるようになったとか。

このころの徽章という言葉は「職業等を表すマーク」という認識だったようです。

そしてマークからバッジ屋という認識にだんだんと変化し、社章やトロフィーなどを作るようになったといわれています。

◆缶バッジ「button」(ボタン)と「badge」(バッジ)

缶バッジのルーツは「Button Badge」。

pinback buttonと書かれることもあります。

「button」(ボタン)と「badge」(バッジ)はどちらも缶バッジのルーツですが、それぞれに違うルーツを持ちます。

・まずは「button」(ボタン)
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1789年アメリカでは…。

1789年アメリカで政治活動のキャンペーンアイテムとして使われたのが始まりと言われています。

当時のジョージ・ワシントンの支持者によって作られ、大統領就任式でも着用されたとか。

このころの缶バッジは真鍮などをプレスして作られていたようですが、裏側に穴足がついているものもあり衣類などに縫い付けて使えるような形だったために、「缶バッジ」ではなく「ボタン」と呼ばれていたようです。

・「badge」(バッジ)のルーツは?
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遡ること…中世ヨーロッパ時代。

「button」ボタンよりも遡ること200年ほど…こちらは中世ヨーロッパの時代。

ヨーロッパ貴族が家柄や歴史を表す紋章を用いてバッジを作っていたことに由来します。

その時代バッジと言えど、布や金属、宝石の類が使われていたといいます。

その後、議会や警察など、社会的地位を表すものとして使用されるようになっていきます。

しかしこの頃の「badge」は宝石が使用されるようなシロモノ。

とても一般階級の人たちが身につけられるようなアイテムではなかったといいます。

しかし時が流れて一般の人たちも身につけられるようになってくると、「Button badge」(ボタンのようなバッジ)と呼ばれるようになったそうです。

◆バッジ?バッチ?正しいのは?

英語ではbadge(バッジ)。

バッチだと英語のbatchになってしまうとか。

こちらのbatch(バッチ)は「一回分の処理」を表す単語。

そのためbadge(バッジ) ≠  batch(バッチ)で、表記としてはバッジが正しいように思われます。

しかし文部科学省の定める外来語の表記には明確な法則が定められていないそう。

そのため、バッチもバッジも混在してしまっています。

区別もされず、統一化もされていないことから、どちらが正しい、間違っているとは言えないようです。

【 近しいアイテム 】

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他にも用途が似ているアイテムは沢山!

他にもたくさん!似ているアイテム。

・ワッペン(patch)

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ワッペンの語源はドイツ語。

衣類や帽子につける模様を縫い付けた飾りのこと。

ワッペンはもともとドイツ語のWappen(紋章)からきています。

ドイツ語発音に忠実な仮名表記だと「ヴァッペン」になるそう…。

盾形や紋章風のデザインが多いです。

・コサージュ(corsage)

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コサージュは手首につけることも。

女性がドレスや衣類につける花飾りのこと。

コサージと言われることも。

身につける人の服を汚さないこと、色が移らないこと、耐久性があること、変な向きにならないことなどに注意して制作する必要がありますが、生花や紙や布、リボンやチュールなど幅広い素材が使われます。

主に慶事の服装を引き立てるために、肩や胸、腰、手首などにつけます。

男性用のものはブートニエール。

・ブートニエール(boutonniere)

Image of boutonniere
ブートニエールは男性用のコサージュのこと。

男性のジャケットにあるラペル部分のボタン穴。

ここに挿す小さな花束の事をブートニエールと言います。

ピンズやラペルピンも同じようにラペル部分に着用しますが、ブートニエールは基本的に「花」であることが大事です。

中世ヨーロッパでは女性にプロポーズするときに男性は花束を贈ります。

その時女性が結婚を承諾する場合は、花束の花を一本抜いて男性の胸のボタンホールに挿したということに由来しているそう。

・ピンズ(pins)

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ピンバッジとも呼ばれたりします。

金属プレートの裏面に針を垂直に立てたバッジ。

針を布地に貫通させて、バタフライクラッチと呼ばれる留め具で固定します。

資格や身分証明などのために使用されることも多い形です。

・ラペルピン(lapel pin)

Image of lapel pin
帽子にとめるものはハットピンと呼ばれることも。名前と用途は違えど、形状は殆ど同じ。

モチーフの裏側に長い針がついているタイプ。

名前にもあるようにジャケットの下襟(ラペル)につけるピンの事。

スティックピンと呼ばれることも。

【 まとめ 】

Badge image photo
時代とともに用途や役割も徐々に変化しています。

ブローチ と バッジ の 違い を知っていますか?というテーマでご紹介してきました。

ブローチの起源とも言われるフィビュラもまた、元をたどると身分や階級を表すものでした。

そしてバッジも、身分や階級を表すものを差します。

現在では装飾性に富んだものをブローチ、身分や職業などを表す機能を持つものをバッジと呼び分けています。

たまに高価なものがブローチ、安価なものがバッジ、という方もいらっしゃるのですが、値段で分けられている訳ではないんですね。

どちらも近しいアイテムながらそれぞれに歴史を持ち、役割を持ってきたアイテムです。

普段はそんなに気にすることがなくても、正しい名称で呼び分けていきたいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

◇ブローチのつける位置を知りたい方はコチラをどうぞ→