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誕生石 と 誕生日石 についてご紹介していきます
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誕生石 とは自身の生まれ月の宝石をお守り感覚で身に着ける慣習のひとつ。
1月から12月の生まれ月それぞれに石を選んで当てはめていったことが始まり。
誕生日石 はそのものずばり、誕生日ごとに石を当てはめていったもの。

今回はこの 誕生石 と 誕生日石 について起源や歴史などを含めてご紹介していきます。

【 誕生石 と 誕生日石 】

Birthstone jewelry photo
誕生石のこと、知っていますか?

誕生石 という言葉を聞いたことがありますか?

男性にはあまり馴染みが無いかもしれませんが、女性ならばご自身の 誕生石 を知っている方も多いかもしれません。

日本の 誕生石 はこんな風に制定されています。

1月 ガーネット
2月 アメシスト(アメジスト)
3月 アクアマリン(アクワマリン)・サンゴ(珊瑚)(コーラル)
4月ダイヤモンド(ダイアモンド)
5月 エメラルド・ひすい(翡翠)(ジェイダイト)
6月 真珠(パール)・ムーンストーン
7月 ルビー
8月 ペリドット・ (サードオニックス(サードニクス))
9月 サファイア(サファイヤ)
10月 オパール・トルマリン
11月 トパーズ・シトリン(黄水晶)
12月 トルコ石(ターコイズ)・タンザナイト・ラピスラズリ
日本の誕生石一覧

誕生石 とは自身の生まれ月の宝石をお守り感覚で身に着ける慣習のひとつで、1月から12月の生まれ月それぞれに石を選んで当てはめていったことが始まり。

誕生日石 はそのものずばり、誕生日ごとに石を当てはめていったものです。

それだけ聞くともしかして宝石屋さんの陰謀…とも取れなくないですよね。

ヴァレンタインとチョコレートの親密な関係的な…。

現代では残念な事に、それがあながち間違いではない大人の事情もありますが、元になった起源もあるのでご紹介していきたいと思います。

※corbata pajaritaのサイトでは一般社団法人日本ジュエリー協会の誕生石を元に記載させて頂いています。

そのため8月にはサードオニックスを記載しています。

◇ 一般社団法人日本ジュエリー協会 のサイトはコチラをどうぞ→

【 誕生石の起源 】

Bible photo believed to be the origin of the birthstone
誕生石の起源とも考えられているのが…。

時を遡ること18世紀。

誕生石を身につける習慣が広まったのはポーランドが始まりといわれています。

移住してきたユダヤ人宝石商が仕掛け人と言われ、商用の誕生石の起源だと考えられています。

そのころは使われる宝石が宝石商によってバラバラだったようですが、1912年8月、アメリカの米国宝石商組合(現在のジュエラー・オブ・アメリカ)が元となる誕生石を統一したと言われています。

ですが選定した宝石を特別に扱う風習はもっと古くから存在してたようです。

誕生石 の起源としては、占星術や地域説などの諸説ありますが、聖書から引用されたという説が有力だと言われています。

実際聖書には、宝石に関する記述が沢山登場しますが、誕生石の起源ではないかと考えられているものはこの2つ。

旧約聖書 出エジプト記28章 と 新約聖書 ヨハネの黙示録新共同訳 21章 です。

・旧約聖書 出エジプト記28章

ユダヤ教の僧が着用した胸飾りに12種類の宝石が縫いつけられている様子。
 (口語訳、新共同訳ではそれぞれ以下のように記されています。)

口語訳

第一列、ルビー、トパーズ、エメラルド

第二列、ガーネット、サファイア、ジャスパー

第三列、オパール、めのう、アメジスト

第四列、アクアマリン、ラピスラズリ、碧玉

 新共同訳

第一列、赤玉髄(カーネリアン)、貴かんらん石(一般的にはペリドット)、水晶

第二列、ざくろ石(ガーネット)、瑠璃(ラピスラズリ)、赤縞めのう

第三列、黄水晶(シトリン)、めのう、アメジスト

第四列、黄碧玉(ジャスパー)、縞めのう、碧玉(一般的には石英・ジャスパーを指すが、ブルーサファイアのことを和名で碧玉と呼ぶこともある)

・新約聖書 ヨハネの黙示録新共同訳 21章 

聖都エルサレムの城壁には12の門があり、それぞれ異なる12種類の宝石で飾られていた様子。

第1の土台石は碧玉(一般的には石英・ジャスパーを指すが、ブルーサファイアのことを和名で碧玉と呼ぶこともある)、 第2はサファイア、第3は玉髄(石英・カルセドニー)、第4は緑玉(エメラルド)、第5は赤縞めのう、第6は赤めのう、 第7は貴かんらん石(ペリドット)、第8は緑柱石(エメラルド)、第9は黄玉(トパーズ)、第10は緑玉髄(石英・カルセドニー・クリソプレーズ)、 第11は青玉(サファイヤ)、第12はアメジストであった。

Image of astrology believed to have a deep connection to the birthstone
占星術とも関りがあると考えられています。

また占星術との関わりを見るには更に歴史をさかのぼる必要があります。

こちらは紀元前6世紀。

メソポタミア地方バビロニア帝国。

バベルの塔と言うとなんとなくわかるでしょうか。

バビロニアの人々は数学や天文学に深く通じていました。

占星術の基礎を築いたのもこの人たち。

12星座を選定し、宝石と関連づけたと言われています。

1世紀のユダヤの歴史学者は著書の中で、ユダヤ教の僧の胸飾りで使用した12種の宝石は12星座と関係があると記述しているそうです。

その点も考慮すると大元の起源はバビロニア帝国に行きつくのかもしれませんね。

◇星座石について詳しく知りたい方はコチラ →

【 日本の 誕生石 と他の国の 誕生石 】

Image of America
誕生石 は万国共通ではないんです…!

実は 誕生石 は国によって違います。

これはアメリカと日本の比較一覧。

アメリカ日本
1月 ガーネット ガーネット
2月 アメシスト(アメジスト) アメシスト(アメジスト)
3月 アクアマリン(アクワマリン)・ブラッドストーン アクアマリン(アクワマリン)・サンゴ(珊瑚)
4月 ダイヤモンド(ダイアモンド) ダイヤモンド(ダイアモンド)
5月 エメラルド エメラルド・ひすい(翡翠)(ジェイダイト)
6月 真珠(パール)・ムーンストーン 真珠(パール)・ムーンストーン
7月 ルビー・アレキサンドライト ルビー
8月  ペリドット・サードオニックス(サードニクス) ペリドット・サードオニックス(サードニクス)
9月 サファイア(サファイヤ) サファイア(サファイヤ)
10月 オパール・トルマリン オパール・トルマリン
11月 トパーズ・シトリン(黄水晶) トパーズ・シトリン(黄水晶)
12月 ラピスラズリ・タンザナイト・ジルコン ターコイズ・ ラピスラズリ・タンザナイト
アメリカと日本の誕生石比較一覧

アメリカと日本、見比べてみると少し違いますよね。

日本では1958年に全国宝石卸商協同組合が制定した 誕生石 が最も古いとか。

日本の 誕生石 はアメリカの 誕生石 に加えて、日本ならではの石が選定されています。

これは日本人らしい感性から日本の季節に合わせて、桃の節句のある3月には桃色の珊瑚、緑が芽吹く5月には緑色の翡翠といった形で選定されています。

Image of england
イギリスは水晶の愛好家が多いことでも知られています。

また水晶の愛好家の多いイギリスでは、4月に水晶、5月にクリソプレーズ(石英)、7月にカーネリアン(石英)といったように、アメリカには入っていない石が入っているのもとても興味深いですよね。

Australia is famous for koalas
誕生石の選定には文化や歴史が反映されています。

そしてオーストラリアでは南半球のためアメリカとは季節が反対になりますが、
かつて英国領だったことが影響してか、北半球と同じように新緑を表すエメラルドを5月の石としています。

他にも真珠が国の宝石に指定されているフランスは他の国と異なりオリジナリティが高く、他国では6月の 誕生石 に多く採用されている真珠を、10月の 誕生石 としています。

貴石、半貴石分け隔てなく選定され、タンザナイトのように最近になって追加されたものも見られます。

これはやはり根底にはどうやら業者の都合があるということのようです…。

沢山の石を確保することが難しい場面も出てくるため、競争を避けるためにこのように複数ずつ、ひと月ごとに振り分けているというところでしょうか。

◇お気に入りのアクセサリーが見つかったら、お手入れ方法をチェックしてみてくださいね! →

【 誕生石 の楽しみ方 】

誕生石に替わって婚約指輪の代表格となったダイヤモンドのリングの画像
婚約指輪はダイヤモンドではなかった時代もあるんです!

しかし消費者側にしてみると、複数の選択肢があるとどれを選ぶべきか、どれが正しいのか、迷ってしまいますよね。

これは多くの方が疑問を感じていると思います。

もともと 誕生石 には2つの楽しみ方があるそうです。

1つは現代の多くの方がそうだと思っているように、自身の誕生月の石を使ったアクセサリーやジュエリーを通年で身に着ける方法。

そしてもう1つは、月ごとに石を取り換えて身に着けるという方法。

元来は月ごとに取り換えて楽しむ方法がとられていました。

これは1月には1月の 誕生石 のガーネット、2月には2月の 誕生石 のアメジスト、
3月には…といったように月替わりで身に着ける方法で18世紀以前にこの方法がとられていたようです。

しかしこの方法、最低でも12種類の宝石が必要だったため、一般の方には浸透しなかったとか。

12か月分の石を買いそろえることができるのは一部の富裕層に限られてしまっていたので、浸透しないのも頷けます。

そこで19世紀の宝石商の方々はもっと普及させるために通年で身に着ける方法を考案し、現代にいたるわけです。

Diamonds are the mainstream of engagement rings, but ...
ダイヤモンドといえば、婚約指輪に使われる代表ともいえる石。

また現代で婚約指輪と言えばダイヤモンドが一般的ですが、そのようになる前には 誕生石 が使われていました。

ですが 誕生石 の中には比較的安価な石もあり他の石との価格差からの不公平感を払拭する為、現代は婚約指輪はダイヤモンドが主流となったそうです。

【 見直される日本の誕生石 】

Iolite photo
新しく仲間入りするかもしれないアイオライト。

2021年5月、全国宝石卸商協同組合が誕生石を改定することを発表しました。
日本で全国宝石卸商協同組合が誕生石を制定した1958年から、実に63年ぶりの改訂です。

この改定の理由としては、この63年間の間に新たに市場に出回った天然石があることなどが理由に挙げられます。
12月のタンザナイトなどは比較的新しい石の代表でしょうか。

◇12月タンザナイトが誕生石に加わるまでのお話はコチラをどうぞ→

全国宝石卸商協同組合 が発表した新しく加わる予定の石としてはこういったラインナップです。(太字のもの)

1月 ガーネット
2月 アメシスト(アメジスト)・クリソベリルキャッツアイ
3月 アクアマリン(アクワマリン)・サンゴ(珊瑚)(コーラル)・アイオライト
4月ダイヤモンド(ダイアモンド)・モルガナイト
5月 エメラルド・ひすい(翡翠)(ジェイダイト)
6月 真珠(パール)・ムーンストーン・アレキサンドライト
7月 ルビー・スフェーン
8月 ペリドット・(サードオニックス(サードニクス))・スピネル
9月 サファイア(サファイヤ)・クンツァイト
10月 オパール・トルマリン
11月 トパーズ・シトリン(黄水晶)
12月 トルコ石(ターコイズ)・タンザナイト・ラピスラズリ・ジルコン
日本の誕生石(改定予定版)
  • 2月 クリソベリルキャッツアイ
  • 3月 アイオライト
  • 4月 モルガナイト
  • 6月 アレキサンドライト
  • 7月 スフェーン
  • 8月 スピネル
  • 9月 クンツァイト
  • 12月 ジルコン

すでに誕生石に入っていたような印象を受ける石もちらほらありますね。

もともと日本の誕生石として認定されていた石以外にも、昨今は個々のお店独自に誕生石を定めているところも多く見られます。
これはパワーストーン的な石の需要が広まった点や、先ほどもご紹介したように海外と日本では誕生石に違いがあるため、海外の誕生石を指針として独自に考える販売店などが出てきたためです。

今までモルガナイトやアイオライトなどは、そういった独自の誕生石に設定しているお店も多く見られましたが、今後は正式に誕生石の仲間入りとなりそうです。

これからもきっと、誕生石は時代のニーズなどと共に変化していきますね。

【 まとめ 】

Image of birthstone accessories
誕生石 誕生日石 のまとめ

今回は誕生石 誕生日石についてご紹介してきました。

誕生石なら自身の生まれ月の石を身に着けるべき、と考えていた方は多いのではないでしょうか。

しかし誕生石 の起源を知ると、誕生石の見方も変わりますよね。

12種類の石を月が替わるごとに替えて身に着けていたという話を知ると、誕生石は石を楽しむためのひとつの方法であったことがわかります。

決して現代の私たちの誕生石のイメージにあるような、生まれた月の石を身につけなければいけないという訳ではないんです。

ご自身の誕生石が好みの石でなければ宝石の持っている意味に注目して選ぶのもいいと思いますし、海外の 誕生石 に合わせてみるのも面白いかもしれません。

更には、誕生「月」ではなく誕生「日」そのものに当てはめた 誕生日石 もあるので、どうしても自身の誕生石が好きになれない、といった方は 誕生日石 も是非チェックしてみてください。

◇誕生日別の石を知りたい方はコチラをどうぞ → 

変わり種だと生まれた曜日別、なんていうのもあるみたいですよ!

プレゼントなら誕生月の石もロマンチックですが、特別なお相手なら 誕生日石 というのも特別感が増して一層素敵かもしれません。

国や時代やニーズによって変化する誕生石。

石を身近に楽しむためのひとつの考え方として、ぜひ様々な楽しみ方をして頂けたらと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!