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真鍮 の アクセサリー の 育て方 についてご紹介します

 真鍮 アクセサリー の 育て方 についてご紹介します。

【 はじめに 】

brass ring wearing pic
真鍮の指輪の着用イメージ

 真鍮 (しんちゅう) の アクセサリーを使ったことはありますか?

独特の落ち着いた色味にヴィンテージ感のある風合いが魅力的で、真鍮アクセサリーを愛用しているという方も多いのではないでしょうか。

シルバーやゴールドよりもなんとなく馴染みのないイメージの真鍮。

ですが真鍮は昨今表札や雑貨にも多用され再注目されている素材でもあります。

真鍮の人気の理由の1つに、経年経過による色の変化があげられます。

ツヤツヤに磨いて仕上げても、使用しているうちに細かい傷が入り、色が変化していきます。

使えば使うほど表面が酸化して素材本来の美しさが出てくるのです。

これはどんなアクセサリー素材なら、大なり小なり見られる変化ではありますが、真鍮も使い込むうちに色と質感が変化していきます。

この変化は自分だけのアクセサリーとして育てる感覚を存分に楽しんでいただける素材です。

今回はそんな 真鍮 の アクセサリー にスポットをあてていきます。

もちろん美しさを保ちながら育てていくにはお手入れも大事です。

そして、ピカピカな状態で使い続けたい!といった方には、 お手入れ方法などを別途ご紹介していますので是非ご覧くださいね。

そして買ったばっかりでもできるだけ早く経年経過の様子にしたい!という方の為に、裏技もご紹介しますので是非最後まで読んでみてくださいね。

【 真鍮 とは 】

photo-of-brass-doorknob
真鍮は生活の中の様々なところに使われています

生活に密着している真鍮素材

真鍮は銅と亜鉛の合金。

黄銅とも呼ばれ、合金なので配合や与える熱の温度によって色が変化します。

英語ではブラス(brass)といいますが、楽器をされている方ならピン!とくるでしょうか。

金管楽器を中心とした吹奏楽団のことをブラスバンドといいますが、この金管楽器の主な材料がブラス(真鍮)です。

腐食しにくく、適度な耐久性と加工のしやすさから、昔から建築や家具、工芸品、仏具、食器、カトラリーなど、実に様々な物に幅広く使われてきました。

私たちの一番身近なものだと、5円玉でしょうか。

真新しい5円玉はとてもピカピカに光っていますが、使い込まれた古い年号の5円玉は落ち着いた風合いを持っています。

人の手や空気に触れて、他の硬化と擦れ合い、ところどころ黒くなった独特の雰囲気。

真鍮の育ち方は、5円玉をイメージしていただくと想像しやすいかと思います。

金属全般はどこか無機質な、ひんやりとしたイメージがありますが、真鍮はなぜか温かみを感じませんか?

日々を重ねるごとに、少しづつ少しづつ…使う人の色に変化していくなんて愛着も湧いてきそうです。

真鍮は加工しやすいとはいえ、素手で加工しようとすると、痛い目をみます。

素材の状態にもよりますが、金属は基本的には熱を加えて(なまし)加工しやすい硬さに調整してから加工します。

この加工から時間が経過したものや、その後に何かしらの加工を加えたものは、また硬さが戻ります。

ですので一般的に販売されているパーツなどをそのまま加工しようとすると怪我をすることもありますのでご注意ください。

真鍮の一番の特徴とも言えるのが、使い込んでいくうちに色や質感が変わっていくこと。

革製品のエイジングのように経年変化が楽しめる点は真鍮の魅力でもありますが、だからこそきちんとお手入れをして、美しさを保ちながら愛用したいですよね。

【 実際にはどんな変化が起こる? 】

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ではどんな変化が見られるのでしょうか。

真鍮は水や汗にふれてそのままにしておくと、表面がだんだんとくもってきます。

早くヴィンテージライクな雰囲気を出したい!といった方は、身に着けている時に必要以上に触るのもいいかもしれません。

しかし酸化が進んで黒くなりすぎてしまったり、汗や水分によって「緑青(ろくしょう)」が出てきてしまうこともあります。

緑青は銅が酸化することでできる青緑色の錆び。

銅の表面に被膜を作り、内部の腐食を防ぎ抗菌力があります。

人の体には無害です。

鎌倉の大仏や自由の女神像なんかも、この緑青が発生する事で銅像自体が腐食から守られています。

そして緑青は日本画の顔料として使用されたりもします。

人体に無害なのでそのままでも問題はありませんが、顔料として使用されるものですので、衣類に色がつく可能性があります。

もし緑青がでてきた場合は取り除いてしまうか、充分に注意して扱うようにしてください。

【 色の比較をしてみる 】

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経過の状態を比較します

どの風合いがお好みですか?

写真はcorbata pajaritaのスプーンリングです。

◇スプーンリングに関してはこちらをご覧ください。→ 


1 磨いたばかりの状態のもの 

研磨したての状態なので、ピカピカです。 

2 素手で触り、クロスで磨いて空気を遮断する袋(パッチン袋)で保管したもの 

多少表面に曇りがでてきた状態。 

研磨直後のピカピカ感はなく、柔らかい印象のゴールドカラーです。

3 素手で触りクロスで磨かず袋に入れず、そのまま保管(今回は5日程度)

素手で触った後クロスで磨かず手の油分が僅かにのこった状態で空気を遮断せずに保管したため、 空気中の水分などでやや酸化が進んでいます。

当然ですが、 1  → 2 → 3 の順番に光を強く反射しています。

もちろん好みはあると思いますが、色白の方でしたら磨き立ての 1 の色味が、一般的な方でしたら 2 の色味が肌馴染みがいいように思います。

もちろんご自身の肌の色との相性以外に、重ね付けするリングや他のアクセサリー、ファッションなどとの相性もあります。

これは真鍮アクセサリーのの醍醐味なので、お好みのカラーを探しながら、ご自身の色に育てていく課程をぜひ楽しんでいただきたいと思います。

【 とにかく早く育てたい! 】

とにかく早く育てたい!そんな方には…

①とにかく触る

体質にもよるのでどの程度で結果が出るとは言えませんが、とにかく触ってください。

テレビ見ながらでもいいんです。

暇があれば触って、しばらくの間空気が触れる状態で放置してください。

後は研磨剤のついていない柔らかい布で表面を拭きます。

これを繰り返すことで、多少時間はかかりますが自然な雰囲気に仕上がります。

②酸素系漂白剤を使う

color comparison pic
一度研磨剤で磨いた5円玉を、向かって右側半分だけ酸素系漂白剤に漬けてみました

酸素系漂白剤につけてから流水でしっかりと洗い水気をきっちり取ってください。

その後柔らかい布で表面を拭きます。

写真は最近掃除などでお馴染みのオキシクリーンに5分程度つけたもの。

(今回は粉末タイプのオキシクリーンをお湯で溶いて使用しました。

酸素系漂白剤の種類によっても色の変化の度合いは変わります。)

(オキシクリーンの量や使用するお湯の温度によっても誤差がありますので、状態を確認しながらお使いください。

また漂白剤を使用しますので手袋等の使用、換気の徹底、塩素系漂白剤、他の薬剤等と混ぜないようご注意ください。)

(水や漂白剤を使用しますので、真鍮以外の素材が使われているアクセサリーの場合適しません。)

◇オキシクリーンはコチラ→

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これ以外には画材店などにおいてある塩化第二鉄を使ったエッチング液などを使用する方法や熱を加える方法などもあります。

しかしエッチング液は廃液方法が厳しく定められていますし、熱を加えるにはバーナーなども必要なので、一般的には手軽とは言えません。

ある程度長い時間お湯の温度を保つことが可能ならば、お風呂程度(40度前後)の温度のお湯に漬けて変色させる方法もあります。

酸素系漂白剤を使用する場合もご自身のアクセサリーで試すのはちょっと怖い…そんな場合は5円玉で試してみるといいかもしれません。

その際は5円玉をポリッシュクリームなどの金属研磨剤やお酢やレモン果汁などを使いしっかりとそれらを洗い流し、ピカピカの状態に戻してから試してみてください。

そしてどんな場合も、水洗いをした後は必ずきっちり水分を取ってください。

少しでも水分が残っているとすぐに緑青が出てきてしまいます。

【 まとめ 】

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いかがでしたか?

今回は 真鍮 の アクセサリー の 育て方 についてご紹介しました。

自然に時間を重ねていく育て方とは別に、急いで色を濃くしたい!といったご要望があったのでご紹介してみました。

色を濃くして使用したとしても、良く擦れる部分はいつの間にか光ってきたりします。

それもまた味わいの1つ。

真鍮の状態は日々変化していくもの。

普段のお手入れをしながら、様々な表情を楽しむのもいいですね。

例え磨きすぎてしまっても、色を濃くしすぎてしまっても、そこから新たな魅力や発見もあります。

磨きすぎてしまったことや、色を濃くしすぎてしまったことを後悔するのではなく、ここからまたどんな表情を見せてくれるか楽しみながら、育てていけるとさらなる愛着が湧いてきそうです。