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真鍮 の アクセサリー の お手入れ 方法 についてご紹介します

真鍮 の アクセサリー の お手入れ 方法 は重曹を使うのがおススメです。

酢やレモン果汁は手軽ですが、素材を痛めることもあるのでご注意を!

【 はじめに 】

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真鍮のアクセサリーは経年経過の雰囲気の変化を楽しむことのできるアイテム。

アクセサリーを“育てる”というのは、しっくりこない方もいるでしょうか?

よく革製品はエイジングを楽しむ、革を育てる、という言い回しを使います。

革製品は使えば使うほどアジがでて、格好よくなりますよね。

革の場合同じように使ってもシワの入り方など全く同じにはなりません。

そのため、使い込んでこそ、その人だけのオリジナルの一点が出来上がっていきます。

これはアクセサリーも然り。

特に真鍮は革製品の育てる感覚ととても近い素材です。

革と真鍮を合わせたアイテムが多いのも、一緒に育てていくことのできる素材同士であるという、相性の良さも手伝っているのかもしれません。

経年経過の雰囲気はとても素敵です。

ですが、革同様に真鍮も、お手入れをしながら育てていくことがポイントです。

今回はそんな真鍮のお手入れ方法を詳しくご紹介していきます。

◇以前にアクセサリーのお手入れ方法についてご紹介しています。

他の素材なども気になったらこちらをどうぞ→

【 日常的なお手入れ方法 】

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手を洗うときはアクセサリーを外すほうがおススメですが…

※真鍮は水や汗に弱い

まずは日常的なお手入れ方法をおさらい。

アクセサリーには必ずついて回る問題がこの水分と汗。

手を洗ったり気付かず汗をかいてしまうのは日常生活の中では普通の事ですよね。

ですが水分や汗をそのままにしておくとアクセサリーの劣化につながります。

アレルギー的な観点から見ても、本来なら手を洗ったりするときは外していただくのが一番です。

しかし毎回毎回は外せないし、外出先で外すのは無くしそうで怖いという方もいらっしゃるはず。

人は汗をかいたりシャワーを浴びたりしたら必ずタオルなどで汗や水分をふき取ります。

これは水分が付いたままだと不都合だったり、汗をほっておけば汗疹やかぶれが出たりするからふき取りますよね。

それと同じように、アクセサリーにも汗や水分が付いたら必ず柔らかい布で拭いてもらえたらと思うのです。

外出先であればハンカチやハンドタオルでもいいので、水分がついたままにしないように少しだけ気遣ってあげてください。

そして家に帰ったら柔らかい布(研磨剤のついていないめがね拭きのような布)で乾拭きをして、外気に触れにくいように空気を遮断できる袋に入れて保管をしてください。

今日は疲れて帰ったからめんどくさいな、そんな日もきっとありますよね。

そんな日はせめて、空気を遮断できる袋にしまうだけでも違いますので、ぜひ試してみてくださいね。

【 真鍮の経年経過 と お手入れ方法 】

How to care for brass pic
真鍮素材をケアするときに使うものは?

真鍮は腐食(腐蝕)(金属と気体など、周囲の環境と化学反応を起こし錆びがでること)をしにくいと言われていますが、空気に触れることで表面がだんだんと曇っていきます。

そして人の手の油分や保管環境など様々な要因が真鍮と反応することが重なって次第に黒っぽい色味が現れます。

5円玉の経過をイメージすると真鍮の経年経過もイメージしやすいかもしれません。

5円玉は真鍮でできていて、しかも普段人から人の手に渡り、空気にも触れ続けています。

中でも特に使い込まれた古い5円玉硬化に出会うと、緑色の汚れのようなものがついていることがありませんか?

あれは緑青。

緑青は体に無害ですが、中にはここまで経年経過が進むのはちょっと…と思う方もいらっしゃいます。

(逆にこれが良い!という方もいらっしゃいますが。)

普段のお手入れは先ほどご紹介したように柔らかい布で拭いて、空気を遮断して保管すること。

ではこういった緑青がでてしまったらどうしたらいいでしょうか。

またうっかりお手入れせずに放置してしまったようなときや、段々と真鍮アクセサリーが育ってきたけど黒ずみが濃くなりすぎてしまったな、という時はどうしたらいいでしょうか。

段階別のお手入れ方法をご紹介していきますので、ぜひご自身の好みの雰囲気になるようにチャレンジしてみてくださいね。

大抵は家にあるものでお手入れができるのも嬉しいポイント。

最初からお気に入りのアクセサリーで試すのが怖いという方も、身近な5円玉で試してから時間や量など調整してみるのもいいと思います。

Comparison photo of brass material color
5円玉を使って色の比較をしてみました

これは5円玉をそれぞれの方法を使って磨いてみた写真。

左から研磨剤クリーム→酢→レモン果汁→重曹ペースト→磨きなし。

(経年経過状態と比べられるよう、5円玉の左側半分だけそれぞれの方法で磨いています。)

それでは方法の詳細をご紹介していきます。

◇とにかくピカピカにしたい時は市販の研磨剤クリーム

研磨剤クリームを柔らかい布に少量添付して、アクセサリーを磨きます。

その後研磨剤のついていない柔らかい布で乾拭きします。

研磨剤は名前の通り表面をとても細かい粒子で「研磨」します。

ですので人の目に見えないレベルではありますが、使用し続けるとアクセサリーは摩耗します。

そのためとにかくピカピカにしたい、といった時だけのスペシャルケアとしてお使いください。

日常的なケアでは、研磨剤クリームは必要ありません。

また研磨剤クリームは、細かいパーツにはクリームが入り込んでしまいふき取る事ができず、不向きです。

※研磨剤によっては酸性のものもあります。

使う際はビニール手袋などを使用してください。

(短時間ならゴムやラテックスの手袋でも問題ありませんが、真鍮とゴムは相性が悪いです。

真鍮がラテックスやゴム類に接しているとと化学変化によってゴムを分解腐食させます。

真鍮アクセサリーをゴム類と同じ場所に保管することはまず無いとは思いますが、昨今真鍮のカトラリーや雑貨品も増えていますし、参考までに。)

◇今回使用した研磨剤クリームはこちら→


◇家庭用の酢もしくはレモン果汁

あくまで方法の一つとしてご紹介するこの方法。

基本的にはこの方法は手軽ですが、おススメしません。

それは素材表面にシミのような変色がでることがあるから。

一度そのようなシミができると、磨きなおしをしても取れない場合もありますので、この方法を使う場合は十分にお気をつけください。

方法としては家庭用の酢(もしくはクエン酸やれもん果汁)にアクセサリー全体をしっかりと浸します。

酢に浸した後は水でしっかりと洗い流し、柔らかい布でしっかりと水気をふき取ります。

その後乾いた柔らかい布で表面を磨きます。


これは酢が真鍮の表面を溶かすことで汚れを除去する方法です。

アクセサリーを部分的に綺麗にしたい場合や真鍮以外の素材が一緒に使われている場合は、この方法は使えません。

酢につける目安の時間は30秒程度で十分。

(アクセサリーのサイズや汚れの度合いによっても違います。)

酢に長くつけていると真鍮が赤っぽく変色してしまうので注意が必要です。

写真ではあえて目安時間の倍の60秒つけていますが、うっすらと赤みがかかってしまっています。

◇全体的に綺麗にしたい、部分的に綺麗にしたい場合は重曹

重曹と水を2:1の分量で混ぜ合わせペーストを作ります。

アクセサリー全体を綺麗にしたい場合はそのままペーストをつけた指や柔らかい布で優しくアクセサリーをこすります。

部分的に綺麗にしたい場合は気になる部分だけ、ペーストをつけた綿棒などで優しくこすってください。

ポイントは傷をつけないようにやさしく扱う事。

ペーストもしっかりと混ぜ合わせておくことが大切です。

歯ブラシなどを使用する方法もありますが、指の腹や柔らかい布、綿棒で充分に綺麗になりますし、これなら余計な傷をつける心配もありません。

(もし歯ブラシを使う場合は毛足の柔らかいものにしてください。)

ペーストを真鍮につけて磨いていくと白かったペーストが段々と灰色になっていくので、その後流水でしっかりと洗い流し水気を取り、乾いた柔らかい布で拭いてください。

チェーンなどの細かいものの場合も、こういったペーストを使用し、その後きっちりと水分をふき取り乾かしてください。

重曹自体は弱アルカリ性。

お料理に使うベーキングパウダーの主成分でもあります。

食用にも使われるものをつかってお手入れができるのであれば、お手入れをする方も安心ですね。

◇緑青が気になる場合は…

先ほどご紹介をした重曹ペーストをキッチンペーパーなどにしみこませ、アクセサリーの緑青が出ている部分に貼り付けます。

よくキッチンの掃除で油汚れがひどい時など、汚れ部分にキッチン用洗剤をしみこませたペーパーを張り付けたりしますが、その要領です。

緑青の度合いにもよりますが、30分程度置いてから、ラップしているキッチンペーパーをはがします。

そしてはがしたキッチンペーパー(重曹ペーストがついている状態のまま)で緑青部分を優しく磨きます。

(緑青は銅の成分を守るために金属表面に出てきます。

真鍮自体は銅と亜鉛の合金のため、真鍮の場合緑青によって銅は守られても、亜鉛の成分が腐食し破損する場合もあります。

そのため緑青の出ているアクセサリーは脆くなっている可能性もあるので取り扱いには十分にご注意ください。)

その後しっかりと洗い流し、きっちりと水気をふき取ります。

仕上げに乾いた柔らかい布で磨きます。

どの方法にも共通して言えるのは、柔らかい布で最後に仕上げ磨きをするということ。

そして最後はきっちりと水分を取るようにしてください。

水分が少しでも残っていると緑青がすぐに出てきてしまいます。

また人が作業できる範囲の温度であれば問題はないと思いますが、温度の高いお湯に長時間真鍮を漬けると真鍮の色が変化することもあります。

ですのでお手入れの際はあくまで水を使用することをおススメします。

研磨剤クリームや酢(レモン果汁)に浸ける方法は手軽ではありますが、なんとなくその後も変色する周期が短くなるような印象もあります。

(科学的なことはわかりませんので正確ではないかもしれません。

あくまで個人の感想として聞いてください。)

そのためどうしようもない汚れでない限り、私自身は重曹でのお手入れ方法を使うようにしています。

重曹ペーストは経年経過の状態をある程度保ちつつくすみを取り除けますし、ご自身の好みに合わせてくすみの程度を調整できるのでとても便利です。

注意点としては他の素材や石などが使用されているアクセサリー。

こういったものは水洗いができなものや酢や酸に弱い場合もあります。

上記の方法は真鍮のみのアクセサリーには有効ですが、ほかの素材が使われている場合はご注意ください。

【 まとめ 】

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今回は 真鍮 アクセサリー の お手入れ 方法についてご紹介してきました。

いかがでしたか?

あれこれと構えて考えるよりも、お手入れを実際やってみた方が難しくないかもしれません。

長く愛用するということで、愛用品は少しずつ少しずつ摩耗していきます。

それは目には見えない僅かな変化を繰り返していくこと。

時間の経過とともに少しずつ表情が変化していくこと。


この摩耗や変化していく様子に味わいを見出し、楽しむ文化はヴィンテージやアンティーク、古美術を楽しむ感覚に近いかもしれません。

少しづつ摩耗することが、ただ劣化する、古くなるということとイコールにしないためには、やはり定期的にお手入れをすることが大切。

毎日使っていれば、どんなに気を付けていても細やかな傷が入ってきます。

定期的にお手入れをして磨いていても、新品のひかり方とは違ってきます。

それは新品のものには出すことのできない味わいです。


愛着をもって使えば使うほど、時間を重ねた愛用品はその人だけの唯一無二のアクセサリーになります。

ぜひ真鍮を自分だけのアクセサリーに育ててみてください。

◇真鍮を早く黒っぽくしたい!という方はこちらをどうぞ→